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 2009年12月14日,社会科学の哲学が専門の吉田敬氏(東京大学グローバルCOE「共生のための国際哲学教育研究センター」(UTCP))をお迎えし,第20回VCASIセミナー「社会科学の哲学から見た神経経済学」を開催した.

発表では,まず初めに,日本ではあまり知られていない「社会科学の哲学」という学問領域がどのようなものであるかについての解説がなされた.社会科学の哲学とは,社会科学に関する哲学であり,主に社会科学の認識論的・方法論的考察を行う学問領域である.かつては方法論的考察が中心だったが,今日では存在論的考察も行われるようになってきたという.
社会科学の哲学において伝統的に問われてきた問題の例としては,以下のようなものがある.

・自然現象と社会現象は根本的に異なるのかどうか
・社会科学の目的と方法は自然科学の目的や方法と異なるのか
・社会科学において,科学者自身の価値観はどのように位置づけられるべきなのか
・社会というのは,個人の総和なのか,あるいはそれ以上の存在なのか.....




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2009年12月11日,進化経済学が専門のCarsten Herrmann-Pillath氏(Academic Director, East-West Centre for Business Studies and Cultural Science, Frankfurt School of Finance and Management)をお迎えし,第19回VCASIセミナー「Outline of a Darwinian Theory of Money」を開催した. 
Herrmann-Pillath氏の論文は,以下に述べる2つの事例をケース・スタディーとして,最近の神経経済学的知見と,Aoki(2007)などに見られるような近年の認知科学の影響を受けた制度理論とが,「一般化されたダーウィニズム」(Hodgson 2002)という整合的なフレームワークに統一されることを示そうとするものである.
この試みのための題材として,Hermann-Pillath氏が第一に取り上げるのは,貨幣が直接的に脳の一般報酬系を刺激するという近年の神経経済学によって見出された発見である.それによれば,一部の新古典派理論が通常想定するように,貨幣は財の購買力として,財のもたらす効用を通してのみ人間行動に影響するのではなく,貨幣の使用はそれ自体で強い情動的インパクトを有している.哲学者Searleも,われわれが一定の物理的存在を貨幣と「見なす」ことによって成立している貨幣使用という制度は,何らかの神経生理学的メカニズムによって支えれていることを指摘している(Searle 2005). .......





 (※動画がご覧になれます)

2009年12月9日,VCASIでは複雑ネットワークがご専門の増田直紀氏(東京大学大学院 情報理工学系研究科 数理情報学専攻)を迎え,第18回VCASIセミナー「複雑ネットワーク上の進化ゲーム」を開催した。

発表では,プレイヤー同士の相互作用を規定するネットワーク構造に着目した進化ゲーム理論の成果を概観した後,スケールフリー性に絞った紹介がなされた。スケールフリーネットワークはプレイヤーの結合次数の分布がベキ則にしたがうようなネットワークとして定義されており,多くのプレイヤーと結合するハブプレイヤーが存在する。(後述の総和利得の仮定の下では)ハブプレイヤーは隣接する他のプレイヤーの行動に影響を与えやすい。したがって、ハブの協力行動は他のプレイヤーの協力行動を促し、結果としてハブの協力行動を最適にする。………





VCASI Quotes

VCASIフェローやスタッフの、心のフックにかかった言葉たちをご紹介します
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A lamb is a survival machine: a big head, a big mouth and four stocky black leg way out of proportion to the sack of a body which joins these standing and eating parts together. The ewe had a full udder, and the lamb soon found its way to suck, wriggling its tail, the instinctive drive at work, the vital colostrum running into the gut. Survival... I found the mother standing alert, eyes big, defensive, stamping her front feet as I approached the pen or picked up the lamb to look at the navel and the shriveling cord or to feel its, gratifyingly, filling belly. The ewe is tensed to protect her own. She is a servant of her genetic destiny. Her life can only be dedicated to these fragile, transitional moments on which so much hinges. So this instant, in the pen with the hours-old lamb, with the tautened presence of the protective mother, this is one of those moments when you come close to the "blood of the world," to the essential juices running under the everyday surface of things, when the curtain is drawn back and you find yourself face to face with how things are.

---Adam Nicolson, Perch Hill, London: Penguin Books, pp.144-145.

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