『コーポレーションの進化多様性 ―集合認知・ガバナンス・制度』が刊行されました。紹介ページにて、著者からの挨拶を掲載させていただいております。
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著者挨拶/VCASI の活動から何を学んだか/青木昌彦 本書は2010年にオックスフォード大学出版会から出版されたCorporations in Evolving Diversity: Cognition, Governance,and Institutionsの翻訳ですが、VCASIの活動の一環としての『叢書 制度を考える』(NTT出版)の一冊として刊行されました。この書物は2008年のオックスフォード大学におけるクラレンドン講義を土台としていますが,その内容はその講義を真中に挟んでの4年間、VCASIにおいて行った研究や,そこで得た研究交流に負う所が大きいのです。VCASI の目的は,社会の秩序(ルール、制度)とその進化をよりよく理解するため,学際・世代・地理の壁を越境するコミュニケーションの場を実験するということにありますが、そこではこの4年間,私の専門としてきた経済学とゲームの理論の枠を越えて,認知科学(またその基礎としての脳科学)、進化理論,法理論,社会学、政治学、歴史学、ロボット学などの各分野の最前線で活躍されている研究者たち(VCASI フェロー)と若い世代の社会人・学生たち(VCASI フレンズ)のあいだに、バーチャルとリアルの双方の場で、新鮮な討論がおこなわれてきました。そうした場を通じて、私自身考え,学び得たことが,多く本書に反映されています。以下,それらの諸点を簡単に取りまとめてみたいと思います。