Language: 日本語 English

実験社会科学

Author(s): 
Toshiji Kawagoe and Yusuke Narita
日付: 
Sun, 2010-11-07
Abstract: 
 In this paper, we experimentally investigate the guilt aversion hypothesis using a trust game with hidden action and pre-play communication. For this purpose, we develop a new, modified version of guilt aversion. It is shown that this modified version is consistent with all extant experimental results in the literature and cannot be rejected by any of them. We then design an experiment that can test the modified version as well as the original version of the guilt aversion hypothesis. In contrast to the prediction of the hypothesis, it is found that the correlation between elicited beliefs and (trustful or trustworthy) behavior is almost zero even in an environment with pre-play communication. Thus, our result provides a clear case against the guilt aversion hypothesis.

 

Author(s): 
Toshiji Kawagoe and Takashi Ui
日付: 
Sat, 2010-05-01
Abstract: 
This paper considers a global game with ambiguity-averse players, where the variance of noise terms in private signals may be unknown, and it presents a laboratory experiment to test comparative statics results with respect to information quality. Suppose that one of the actions is a safe action yielding a constant payoff and it is a risk dominant action. Then, low quality of information makes less players choose the safe action, whereas ambiguous quality of information makes more players choose the safe action. The experimental results show that subjects' behavior is consistent with this comparative statics results.

 

第23回VCASIセミナー「中国人の一般的信頼は高いのか?」(山岸俊男先生)

日時: 
2010年4月1日(木)10:00-
場所: 
日本財団ビル3階A会議室
発表者: 
山岸俊男(北海道大学大学院文学研究科/社会心理学、実験社会科学)
概要: 
 
 
ビデオあり: 
no
Author(s): 
安田洋祐、青木昌彦、川越敏司、小島武仁、佐藤孝弘、瀧澤弘和、友枝健太郎、成田悠輔
ISBN: 
4757122594

 

Published Date: 
Mon, 2010-03-29
Publisher: 
NTT出版
Abstract: 
子どもたちが従来の通学区域に縛られずに、通う学校を選ぶことができる学校選択制。わが国でも公立小中学校の約15%が実施しており、その是非をめぐって 議論が活発に行われている。本書は、この問題に若手経済学者が挑む野心的な研究である。より良い学校選択制を「デザインする」という視点から、ゲーム理論 研究で得られた最先端の知見に基づき日本とアメリカの現状を分析し、具体的な政策提言を試みる。

解説
執筆チームより
叢書《制度を考える》のページへ



Field Body: 
 
Author(s): 
Ai Takeuch, Yukihiko Funaki, Mamoru Kaneko, and J. Jude Kline
日付: 
Sat, 2010-03-20
Abstract: 
We conduct an experimental study on behavior and underlying cognition in prisoner’s
dilemmas with/without role-switching from the viewpoint of inductive game
theory. Subjects start with no knowledge about his and the other’s payoffs, and
learn them through repeated play. In cases with no role-switching, a large proportion
of subjects adopt a dominant strategy. In the cases with role-switching, where
the subjects alternate positions (row and column players), the prediction by inductive
game theory that they will choose the pair of actions maximizing the simple
sum of payoffs is observed for various pairs. We study their behaviors and cognitions
from various different viewpoints. The study suggests a strong implication
about certain foundational assumptions of inductive game theory: In particular,
statistical hypothesis tests are not only used to analyze the experimental data but
also play more positive roles for inductive game theory.

VCASI公開研究会「社会のルールについてV: 社会と個人の相互性への実験的アプローチ」

日時: 
2010/3/31(水) 13:00-
場所: 
日本財団ビル3階A会議室
発表者: 
青木昌彦
山岸俊男
金子守
藤井直敬
概要: 
2010年3月31日、VCASIは公開研究会「社会のルールについてV:社会と個人の相互性への実験的アプローチ」を開催した。当日は、青木昌彦(比較制度分析/VCASI、Stanford大学経済学部)の導入に続いて、山岸俊男(社会心理学、実験社会科学/北海道大学文学研究科)、金子守(ゲーム理論、論理学/筑波大学システム情報工学研究科)、藤井直敬(神経科学/理化学研究所脳科学総合研究センター)の発表、そしてそれらに対する瀧澤弘和(ゲーム理論/VCASI、中央大学経済学部)、平井洋一(計算機科学/東京大学大学院情報理工学系研究科コンピューター科学専攻)、加藤淳子(政治学/東京大学法学政治学研究科)の討論を中心に議論が進んだ。

参加者は、VCASIフェローの岡崎哲二(経済史)、戸矢理衣奈(歴史学、社会心理学、ブランディング)、松井彰彦(ゲーム理論、経済学)、安田洋祐(ゲーム理論、ミクロ経済学)の他、意思決定理論、経済学、ゲーム理論、国際関係論、実験社会科学、社会心理学、神経科学、政治学、生物学、複雑系、マーケティングなどを専門とする研究者、編集者、学生ら60名弱。Ustream上の動画中継を通じた視聴者数は合計751人(平均56人)に及んだ。

趣旨
社会現象を生みだす背後のからくりを抽出しようとするこれまでの試みは、少なくとも2つの典型的な分析上の戦略を持つ。一方で、自律性や志向性を備えた単位としての個人を仮定し、それらの相互作用の帰結として社会現象を描くこと。(個人から社会へのベクトル)他方で、歴史的に形成された信念、慣習、文化、規範を所与として、それらへの受動的な適合として個人のふるまいを把握すること。(社会から個人へのベクトル)そして、これら2つのベクトルは、潜在的には接続して1つの円環をなす。にもかかわらず、2つのベクトルの接続の内部構造に関して、私たちは依然として驚くほど無知である。そして、その暗箱を開こうとする最新の試みは、いくつかの理論的、(実験)技術的革新を要請しつつある。たとえば

・「個人のふるまい」や「社会現象」と私たちが呼ぶ対象の記述や計測をこれまでになく微細化、多元化する必要
・しばしば外的道具・制約としてのみ扱われてきた人工物や社会的装置を社会と個人の円環と切り離せないかたちで再導入する必要

古いが依然として新しいこれら諸問題を総称して、ここでは「社会と個人の相互性」と呼ぼう。「社会のルールについてV:社会と個人の相互性への実験的アプローチ」は、社会と個人の相互性を明示的に扱った実験的研究をいくつか取り上げ、その含意について多義性や曖昧性を許しつつ超学際的に議論する。

報告
13:00-13:30 session 0
青木昌彦(比較制度分析/VCASI、Stanford大学経済学部)
 「社会のルールに関して、何故、どのように、超学際的なアプローチが必要か?」
参考論文:"Institutions as Cognitive Media: Between Strategic Interactions and Individual Beliefs"(http://www.vcasi.org/node/620)
はじめに、以後の議論への導入として、青木昌彦(比較制度分析)が社会のルール(societal rules)の暫定的定義("Commonly-organized, salient features of the ways by which the societal games is recursively played and expected to be played.")を提案した。その上で、社会のルールについて考える際の思考の軸となりえるいくつかの問いを挙げた。事前の設計の対象か自生的秩序か、選択に対する制約か選択の帰結か、行動の規則性か認知の一範疇か。そして、一層具体的に、公的標識(public indicators)を通じた共有知識(common knowledge)の形成、人工物の社会的構築とその機能、文化の神経・言語機能への影響といった主題群を簡単に描写した。その後の発表や討論は、これらの問題提起を消化しつつ、問題意識や分析手法を更新していくための手がかりを与えるものだったと言っていい。以下では、それぞれの発表・討論におけるキーワードを列挙していく。
 
 
13:30-15:00 session 1
山岸俊男(社会心理学、実験社会科学/北海道大学文学研究科)
 「ニッチ構築としての文化」
参考論文:"Micro-Macro Dynamics of the Cultural Construction of Reality: A Niche Construction Approach to Culture "(http://www.vcasi.org/node/554)
参考書籍:『文化心理学』(増田貴文との共著、培風館(近刊))(当日配布予定)
キーワード:文化心理学vs進化心理学、説明概念と実在概念、自己成就の心理学的バージョンと社会学的バージョン、社会的真空室、文化的ゲームプレイヤー、デフォルト戦略、ペン選択・認知能力試験実験
 
討論者:瀧澤弘和(ゲーム理論/VCASI、中央大学経済学部/)
キーワード:与件としての社会規範、物理的過程としての文化形成への介入可能性
 
 
15:00-15:20 休憩
 
15:20-16:50 session 2:
 
金子守(ゲーム理論、論理学/筑波大学システム情報工学研究科)
 「帰納的ゲーム理論とその実験」
参考論文:"An Experimental Study from the Perspective of Inductive Game Theory" (竹内あい、船木由喜彦、J. Jude Klineとの共同研究)(???)
 "Transpersonal Understanding through Social Roles, and Emergence of Cooperation"(J. Jude Klineとの共同研究)(http://qurl.com/n6tlg)
参考書籍:『ゲーム理論と蒟蒻問答』(日本評論社)
キーワード:古典的・進化的ゲーム理論から帰納的ゲーム理論へ、社会的役割の交換、個人「内」協調均衡(Intrapersonal
Coordination equilibrium)、囚人のジレンマにおける協力の発生、予測の検定装置としての理論モデル
 
 
討論者:平井洋一(計算機科学/東京大学大学院情報理工学系研究科コンピューター科学専攻)
キーワード:記号列・言語・論理、知識論理(Hintikka)、(知識伝達としての)時間を導入した動的知識論理(Halpernら、Ditmarschら)、知識の証拠の文脈依存性、知識の欠如の記述
 
 
16:50-17:10 休憩
 
17:10-18:40 session 3:
藤井直敬(神経科学)
 「多次元情報への神経科学的挑戦」
参考論文:"Dynamic Social Adaptation of Motion-Related Neurons in Primate Parietal Cortex"(日原さやか、入來篤史との共同研究)(http://qurl.com/ycpcj)
"Long-term asynchronous decoding of arm motion using electrocorticographic signals in monkey"(Zenas C.
Chao、長坂泰勇との共同研究)(http://qurl.com/jmwns)
参考書籍:『つながる脳』(NTT出版)
キーワード:細胞から社会にいたる重層的ネットワーク、脳科学が直面する技術の壁、社会性の本質としての抑制、多次元生体情報記録手法2.0、猿の前頭前野の一人モード・ボスモード・弱いモード、脳と観察者のコミュニケーション、ブレイン・マシン・インターフェイス
 
 
討論者:加藤淳子(政治学/東京大学法学政治学研究科)
キーワード:キャンペーン広告と変化する嗜好、fMRI、感情温度計、科学の社会科学への収斂?、顕教(制度/組織/行動/態度/パターン)vs密教(経験則)
 
 
18:45- 懇親会

参加申し込み: 件名を「社会のルールについて参加申し込み」とし、お名前とご所属(ご専門)を

event@vcasi.org
ビデオあり: 
no
Author(s): 
川越敏司
ISBN: 
4757122586
Published Date: 
Wed, 2010-03-17
Publisher: 
NTT出版
Abstract: 
経済学をはじめ、政治学、社会学、経営学などに幅広く応用されているゲーム理論。そのなかで、発展めざましい行動経済学や実験経済学の成果をふまえ、従来のゲーム理論の「クールで合理的な人間」という前提を修正し、感情をもった限定合理的な「リアルな人間」の多様な行動を解明することをめざした「行動ゲーム理論」が生まれた。本書はこの行動ゲーム理論の、日本初の本格的入門書である。内容は高度だが、ボードゲームや小説など、身近で楽しい話題をきっかけに、学部学生レベルでも理解できるように解説している。
Author(s): 
山岸俊男、吉開範章
ISBN: 
4757102666
Published Date: 
Wed, 2009-10-07
Publisher: 
NTT出版
Abstract: 
この本は、これからの社会で暮らす私たちの生き方についての本であると同時に、社会秩序の作り方についての本です。これからの日本社会をどのように作って いくかと同時に、これから私たちが作っていく社会の中で、私たちはどのように生きていくのだろうかといったことを考えるきっかけになれば、という思いで書 かれています。

この本のもとになったのは、第3章で紹介しているネットオークション実験です。この実験を始めたのは、知らない人たちの間 で取引を行うネットオークションには、これからの社会が凝縮したかたちで詰まっていると考えたからです。これまでの社会では、閉じた関係性の中で「評判」 が社会秩序を維持するのに大きな役割を果たしてきました。しかし、ネット社会のような開かれた社会では、どうでしょうか? どのような評判システムが有効で、今後の課題は何なのでしょうか? 実験の結果、多くのことがわかってきました。

本書では、「安心社会」 から「信頼社会」への移行を提唱してきた著者が、これらの実験結果、あるいは最近の急速な技術(情報通信、脳科学、認知科学)の進歩を背景に、「新しい安 心社会」とも呼びうる将来の社会の姿を描き出します。はたして、この「新しい安心社会」は、人類にとって祝福となるのでしょうか? それとも呪いとなるのでしょうか?

第20回VCASIセミナー「社会科学の哲学から見た神経経済学---協力行動と嗜癖」

日時: 
2009年12月14日(月)17:00-18:30
場所: 
日本財団ビル3階A会議室
発表者: 
吉田敬(東京大学)
概要: 
本発表では,まず社会科学の哲学とはどのような分野で何を問題としているのか,概説する.その後で,近年話題となっている神経経済学の中から,協力行動と嗜癖という二つの問題を取り上げる.前者の協力行動については,エルンスト・フェールらの研究を,後者の嗜癖に関しては,ドン・ロスらのギャンブル依存症に関する研究を検討してみたい.最後に,こうした二つの研究は,ひとまとめに神経経済学と呼ばれているものの,それぞれ異なるアプローチに基づいていることを確認し,その違いが引き起こすと思われる問題を考察する.

このたび東京財団仮想制度研究所VCASI(http: //www.vcasi.org/)では、東京大学グローバルCOE「共生のための国際哲学教育研究センター」(UTCP)の吉田敬先生をお招きし,以下の要領で第20回VCASIセミナーを開催することとなりました.

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日時:2009年12月14日(月)17:00-18:30

ビデオあり: 
報告ページにビデオあり
Author(s): 
Toshio Yamagishi
日付: 
Mon, 2010-02-01
Abstract: 
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Humans think, communicate, and behave to adapt to a particular social ecology, and by doing so they collectively create, maintain, and change the very ecology (i.e., social niche) they adapt to. The niche construction approach to culture analyzes how people induce each other to think and behave in particular ways by behaving in particular ways themselves. The best support to this approach is found when cultural differences in cognition and behavior that are regularly observed in everyday life disappears in a social vacuum – in a situation in which people are rid of any social concern about implications of their behavior and can express their thoughts and behave free of any social concern. Examples of such experimental manipulations are presented and discussed.

First Name(English): 
Junko
Last Name(English): 
Kato
Speciality: 

政治学

Interests: 

比較政治学 政治的競争の空間モデル及び社会的認知の幾何学モデル 社会行動理解のための脳科学的アプローチ

Recent Thoughts: 

日本政治から出発して、民主主義国の比較政治研究で、現実の政治行動や制度の分析を行ってきました。現在は、システム脳科学の発展を受けて、現在までの行動分析の知見に基づいて、神経科学者との共同研究でさらなる人間理解へ挑戦しています。こうした時代と場に居合わせることができた幸運に感謝しています。

Publications: 
  • 加藤淳子「税制改革と官僚制」東京大学出版会、1997年。
  • Junko Kato. 1998. “When the Party Breaks Up: Exit and Voice among Japanese Legislators,” American Political Science Review, vol. 92, no.4 (December 1998): 857-870.
  • Junko Kato. 2003. Regressive Taxation and the Welfare State: Path Dependency and Policy Diffusion. New York: Cambridge University Press. 2003.
Recent Works: 
  •  Kato et al. 2009. “Neural correlates of attitude change following positive and negative advertisements.” Frontiers in Behavioral Neuroscience. Vol. 3. < http://www.frontiersin.org/behavioralneuroscience/paper/10.3389/neuro.08/006.2009/>
  •  Junko Kato and Kentaro Yamamoto. “Competition for Power: Party Switching as a Means for Changing Party Systems in Japan,” Carol Mershon and William Heller eds., Legislative Party Switching and the Foundations of Party Politics, Palgrave Macmillan, 2009.
  •  Junko Kato and Kensuke Okada.“Euclid was sometimes an unnecessarily sophisticated social scientist: Geometric modeling of political difference” (under review)
Affiliation: 
東京大学大学院

第16回VCASIセミナー「Experiments on Emergence of Leadership in Teams」(末廣英生先生)

日時: 
2009年9月2日(水)15:00-17:00
場所: 
日本財団ビル3階A会議室
発表者: 
末廣英生(神戸大学経営学部教授)
川越敏司(VCASIフェロー、公立はこだて未来大学情報科学部准教授)
概要: 

チーム生産において、率先垂範の意味でのリーダーシップがどのように成立するかを実験によって明らかにした。2人の個人が、チーム生産性に関する私的情報を持って、自分で選択する水準の努力を、自分の望むタイミングで、チームのために投入するチーム生産ゲームを考える。このゲームには、パラメーターが一定の条件を満たすとき、複数の均衡が存在する。この条件を満たすモデルを実験した結果、チーム生産性に自信のある個人はリーダーシップ行動をとり、自信のない個人はフォロワーとなる、leadership by confidenceが現れた。次に、このリーダーシップ現象が内生的シグナリングとして生起しているかどうかを検証する実験として、同じ利得の下で私的情報を排除した環境で実験したところ、その環境ではリーダー・フォロワー関係が成立しなかった。さらに、伝達されているシグナルの内容が、送り手のパレート最適選択の提案である可能性を検証する実験を行った。その実験では、約半数の被験者がパレート最適選択を選好しているが、そのような被験者のうち自らリーダーシップをとって(均衡行動ではない)パレート最適選択の提案を行う者は限られていた。
従って、チーム生産におけるリーダーシップの成立には、leadership by confidenceが
均衡として支持されることが鍵となることがわかった。
※この研究は、末廣先生と安部浩次先生(神戸大学大学院経営学研究科)、小林創先生(大阪府立大学経済学部)の共同研究です。

末廣先生のご研究については、すでに上に挙げたweb site

第15回VCASIセミナー「Ambiguity and Risk in Global Games---Theory, Applications, and Experiments」(宇井貴志先生)

日時: 
2009年9月2日(水)13:00-15:00
場所: 
日本財団ビル3階A会議室
発表者: 
宇井貴志(VCASIフェロー、横浜国立大学経済学部教授)
概要: 
プレイヤーがmaxmin期待効用をもつグローバルゲームの理論と応用について説明する。maxmin期待効用は、Ellsbergのパラドクスを説明するために導入された非期待効用の一つで、曖昧回避的な意思決定の代表的モデルである。maxmin期待効用を応用した理論研究は、ファイナンスを中心に数多くあるが、そのほとんどは代表的な個人を前提としている。そこで本報告では、グローバルゲームを用いることで、戦略的状況下の曖昧回避的行動の含意について理論的に検討し、また銀行取付と通貨危機への応用について議論する。加えて、上記の理論に関する実験の設計についても検討したい。

 
宇井先生のご研究については、

http://takashi.ui.googlepages.com/

第12回VCASIセミナー「ニューロイメージングで政治行動の何が分かるか?」

日時: 
2009年05月28日(木) 18時から
場所: 
日本財団ビル3階A会議室
発表者: 
井手弘子氏(東京大学大学院法学政治学研究科博士課程)
加藤淳子教授(東京大学大学院法学政治学研究科)
コーディネーター: 
小野田拓也(VCASI研究助手)
概要: 

社会における「脳と心」への関心の高まりは、脳神経科学技術が、人間の高次知的活動―社会的行動や価値判断を伴う決定―を探求の対象とできるようになった ことと表裏一体である。研究の端緒についたばかりの神経政治学(ニューロ・ポリティクス)であるが、報告者等が選挙キャンペーンCMに関して行った機能的 磁気共鳴画像法(fMRI)を用いた実験では、政治的選好の変化と前頭葉の異なる部位における脳活動との間に正と負の逆方向の相関関係を見い出す等の結果 を得ている。本報告では、ニューロ・ポリティクスの先行研究と報告者等の実験研究結果を紹介し、これらの研究が政治学や社会科学一般にもたらす含意や今後 の展開の可能性を議論したい。


First Name(English): 
Michihiro
Last Name(English): 
Kandori
Speciality: 

ゲーム理論、ミクロ経済理論

Interests: 

くり返しゲームと協調、マーケットデザイン、実験・行動経済学

Recent Thoughts: 

長期的関係において、各人が相手の行動についての不完全な情報を得るケースでは、どの程度の協調が達成できるかということはまだ完全には理解されていません。この未解決問題に取り組むとともに、学校選択制や研修医制度に応用されているマッチング理論について、本研究所の小島氏安田氏と共同で研究を進めています。

Publications: 
  • 2006, “Efficiency in Repeated Games Revisited: The Role of Private Strategies” (joint with I. Obara), Econometrica, Vol 74, No. 2, February, 499-519.
  • 2008, “Decentralized Trade, Random Utility and the Evolution of Social Welfare” (joint with R. Serrano and O. Volij), Journal of Economic Theory, Vol.140, .No. 1, 328-338, (May).
  • 2008, “Repeated Games”, in New Palgrave Dictionary of Economics, 2nd edition, Palgrave Macmillan, (May 30, 2008).
Recent Works: 
  • 2008, “Weakly Belief-Free Equilibria in Repeated Games with Private Monitoring”
  • 2009, “Understanding Stable Matchings: A Non-cooperative Approach” (with F. Kojima and Y. Yasuda).
Affiliation: 
東京大学

VCASI公開研究会「社会のルールについてIV: 障害と経済について」

日時: 
2009年3月19日(木) 13:00~17:10
場所: 
日本財団ビル2階 第1~4会議室
発表者: 
金子能宏氏(国立社会保障人口問題研究所)
松井彰彦氏(東京大学:VCASIフェロー) ※
両角良子氏(富山大学)
長江亮氏(早稲田大学高等研究所)
関口洋平氏(東京大学 大学院)
コーディネーター: 
川越敏司氏(公立はこだて未来大学:VCASIフェロー)
概要: 

障害者の基本的人権と自由を守り、これらによってもたらされる利益を完全かつ平等に享受できることを謳った「国連障害者権利条約」が国連総会で採択されたのが2006年12月13日。わが国は2007年9月28日に調印し、現在はその批准に向けての働きかけが行われています。

他方、国内法の整備も急務となっており、その流れを受けて障害者法制・政策の転換が始まろうとしています。なぜなら障害者権利条約は、障害を医学的見地に立ってとらえることから、社会における問題としてとらえるという障害者観のパラダイム転換を反映した内容になっているからです。そして障害者問題の根源は社会制度の中にあるという考え方が広まるにつれ、社会科学的分析の必要性が高まっています。近時のゲーム理論や実験経済学、計量経済学の発展もまた、こうしたニーズに応えて分析を行う際のツールを提供しています。

今回の研究会では「障害と経済」と題して、障害学と経済学の学際的共同研究のこれまでの成果を発表します。これは、新しい時代の障害者観や障害者問題に関する政策を考えるにあたって、最先端の研究動向を紹介することで、障害学だけでなく、社会科学全体の進歩に寄与しようというものです。ご期待ください。

(※)松井彰彦氏(東京大学:VCASIフェロー):東京大学で「学術創成研究:総合社会科学としての社会・経済における障害の研究」の研究代表者をつとめている。

プログラム
Author(s): 
Toshiji Kawagoe and Hirokazu Takizawa
日付: 
Fri, 2008-10-24
Abstract: 
The centipede game is one of the most celebrated examples of the paradox of backward induction. Experiments of the centipede game have been conducted in various settings: two-person games with linearly increasing payoffs (McKelvey and Palfrey, 1992), two-person games with constant-sum payoffs (Fey, McKelvey and Palfrey, 1996) and three-person games (Rapoport et al. 2003). The deviations from the subgame-perfect equilibrium prediction observed in laboratories have so far been attributed to some kind of fairness concern or altruism of the subjects. This paper attempts to offer another explanation for the observed deviations by using level-k analysis, a non-equilibrium model of strategic thinking. We show that level-k analysis gives consistently good predictions for the results of experimental centipede games. The results suggest that experimental results of centipede games be explained without invoking fairness or altruism.
First Name(English): 
Yoshinori
Last Name(English): 
Shiozawa
Speciality: 

複雑系経済学、進化経済学、国際貿易論、関西経済論

Interests: 

社会技術、社会実験、エージェント・ベースのシミュレーション、金融工学の基礎の批判的検討、都市の経済学

Recent Thoughts: 

「社会技術」を最近のキーワードとしている。社会技術は、社会運営の大小の知恵であり、社会制度からビジネス・モデルまでの広がりがある。「社会技術を開発する」という視点に立つと、マクロ経済学と違い、等身大の技術もが研究対象となる。そこでは社会実験が重要な方法となる。開発への試みから新しい理論的知見も生まれよう。これは社会科学を発展させる新しい研究様式となる可能性がある。こうした視点で見ると、理論化されていないが、すでに多様な場面で、社会技術の開発と実験とが取りくまれている。

Publications: 
  • 塩沢由典 2010『関西経済論 原理と議題』晃洋書房、1-583.

  • 塩沢由典 2006「概説」進化経済学会編『進化経済学ハンドブック』共立出版、3-134.

  • 塩沢由典 2002 『マルクスの遺産』藤原書店、1-446.

Recent Works: 
  • Shiozawa, Y. 2009 "Samuelson's Implicit Crticism against Sraffa and the Sraffians and Two Other Questions," The Kyoto Economic Reiew, 78(1) 9-37.

  • 塩沢由典2008「社会科学と社会技術」石黒武彦編『科学と人文系文化のクロスロード』萌書房、161-185.

  • 塩沢由典2007「社会科学における実験という方法」『同志社大学ヒューマン・セキュリテイ研究センター年報』4, 100-145.

     

Affiliation: 
中央大学商学部

第4回学校選択制研究会『理論的拡張』

日時: 
2008年12月16日(火)13:00から
場所: 
日本財団ビル3階 A会議室
発表者: 
小島武仁氏(Yale大学;VCASIフェロー)
安田洋祐氏(政策研究大学院大学;VCASIフェロー)
概要: 
メカニズムデザイン理論やマッチング理論の学校選択制への応用に関する最新の学術論文の輪読を通じ、実際に全国各地で導入が進められている学校選択制について現状分析や政策提言を行なっていく上でのひとつの理論的基礎を身につけると同時に、必要に応じてそれらの理論に基づくアプローチの限界や補完的アプローチの可能性について検討することを目指します。

第4回の今回は、以下の文献に関する報告です。
  1. YK Che and F Kojima. (2008). "Asymptotic Equivalence of Probabilistic Serial and Random Priority Mechanisms." Mimeo.
  2. A Abdulkadiroglu, YK Che, Y Yasuda. (2008). "Expanding "Choice" in School Choice." Mimeo.

 

 内外の実務家、研究者、学生の皆様のご参加を広く歓迎いたします。参加を希望する方は下記のアドレスへメールをお送りください。

event_at_vcasi.org

なお、学校選択制デザインプロジェクトの詳細については学校選択制デザインプロジェクトウェブサイトでご確認ください。