Language: 日本語 English

心理学

Author(s): 
石黒 広昭 (著, 編集), 亀田 達也 (著, 編集), 山岸 俊男 (著), 石井 敬子 (著), 佐伯 胖 (著), 北山 忍 (著)
ISBN: 
478851186X

 

Published Date: 
Fri, 2010-01-15
Publisher: 
新曜社
Abstract: 
伝統的に心理学は、個人の心ばかりを研究し、文化や民族性など、文化的な所産としての心の研究はないがしろにされてきました。しかし今、大きく変わろうとしています。この本は、日本を代表する六人の心理学者の競演です。心を社会的に生み出されるものとして捉えながらも立場を異にする三人の心理学者が自らの考えを開陳し、さらに別の三人がそれを批判的に検討するという構成です。硬派な本ですが、スリリングな議論が楽しめること請け合いです。
Field Body: 
 
 
経済学にも求められる
統合的な人間像の提示:
合理的なヒト、それを超える人間
『心は遺伝子の論理で決まるのか - 二重過程のモデルでみるヒトの合理性』
キース・スタノヴィッチ著、椋田直子訳、鈴木宏昭解説/みすず書房、2008年
(The Robot's Rebellion, Keith E. Stanovich, 2005)

評者:瀧澤弘和(VCASIフェロー、多摩大学教授)

概要

20世紀から21世紀にかけて、ヒトの心のあり方に関して進化論的アプローチが適用されるようになり、われわれの人間観が大きく変容しつつある。そこで新たに浮かび上がってきた人間観は、かつての社会科学が当然視してきたような自律的・意識的な意思決定を行うヒトではなく、進化の法則にしたがって形成されてきた心を持つ人間である。進化論的決定論が勢いを増している時代に、人間存在はどのようにその意味を復権させることができるのか。本書は、その壮大なテーマに認知心理学者が取り組んだ成果である。

本書の核心は、個別にはよく知られた上記の利益相反の構図の上に、最近の認知科学によって明らかにされつつあるヒトの合理性のさまざまな類型に関する議論を重ね合わせてヒトの合理性の固有の意味を探ろうとしている点にある。
First Name(English): 
Riina
Last Name(English): 
Toya

 

Speciality: 

歴史学(経営史、文化史、社会史)、社会心理学、ブランディング

Interests: 

企業イメージ構築の歴史的分析、「感性産業」の組織的特色、企業と社会・文化、グローバル化とデザイン、慣習としての美意識と経済

Recent Thoughts: 

ファッションや化粧品などを中心に「感性産業」と称される企業のイメージ(あるいはブランド価値)がいかに構築されていくのか、その歴史的過程に関心を持っています。時代の先端となる美意識を再生産する組織の特性に加えて、そうした企業の活動と都市や国のイメージの形成との相関についても、幅広く社会史を視野にいれながら分析していきたいと思います。資生堂(1872年創業)を対象に研究を続けています。

Publications: 
Recent Works: 
  • 『東京銀座資生堂(仮題)』
Affiliation: 
国際日本文化研究センター
First Name(English): 
Kazuo
Last Name(English): 
Yamaguchi
Speciality: 

社会学
 

Interests: 

社会統計学、家族と就業、格差・不平等

Recent Thoughts: 

最近我が国でワーク・ライフ・バランス概念を中心に、少子化対策や男女共同参画に関する分析や政策提言をしているが、それをEvidence-Basedで かつ、人々の心と行動 の原理に即したものにできるだけ近づけたいと考えている。またパネル調査分析方法で、潜在クラス変数の利用について既存のものよりさらに発展させ、直接観 察できない人々の多様な人生選択や人生行路のありさまと社会状況のかかわりを、より生き生きと描きたいと考えている。

Publications: 
  • Yamaguchi, Kazuo. 1991. Event History Analysis. Sage Publications.
  • Yamaguchi, Kazuo. 1992. "Accelerated Failure Time Regression Models with a Regression Model of Surviving Fraction: An Application to the Analysis of 'Permanent Employment' in Japan." Journal of the American Statistical Association 87: 284-292.
  • Yamaguchi, Kazuo and Linda Ferguson. 1995. "The Stopping and Spacing of Childbirths and Their Birth-History Predictors: Rational-Choice Theory and Event-History Analysis." American Sociological Review 60: 272-98.
Recent Works: 
Affiliation: 
シカゴ大学、経済産業研究所
First Name(English): 
Toshio
Last Name(English): 
Yamagishi
Speciality: 

社会心理学・実験社会科学

Interests: 

心理制度分析(psycho-institutional analysis)、心の社会性、実験社会科学

Recent Thoughts: 

人間性や社会の働きについての信念(social axioms)や行動の「文化差」を制度に対する適応の観点から分析するための実験を計画しているのですが、文化心理学者が報告している「心の文化差」のほとんどは、マクロレベル(文化間の平均の差)では追試に成功しているにもかかわらず、個人を単位とした分析では指標間に全く相関が見られないので、どの指標を使うべきか悩んでいます。この結果は、制度がマクロ変数であることを考えるともっともな気がするのですが、いざ実験に用いるべき適切な指標を選ぼうとすると困ったことになってしまいます。ということで、最近、一般の人々を対象にして、一年間にわたり様々な実験に繰り返し参加していただく研究を開始しました。研究チームの若手研究者に大きな負担をかけることになりますが、見返りも大きいだろうと思っています。

Publications: 
  • 山岸俊男 1998『信頼の構造:こころと社会の進化ゲーム』東京大学出版会
  • Toshio Yamagishi & Midori Yamagishi 1994. Trust and commitment in the United States and Japan. Motivation and Emotion 18(2), 129-166.
  • Toshio Yamagishi, Satoshi Kanazawa, Rie Mashima, and Shigeru Terai 2005. Separating trust from cooperation in a dynamic relationship: Prisoner’s Dilemma with variable dependence. Rationality & Society 17(3), 275-308.
  • Toshio Yamagishi, Sigeru Terai, Toko Kiyonari, Nobuhiro Mifune, & Satoshi Kanazawa. 2007. The social exchange heuristic: Managing errors in social exchange. Rationality and Society 19(3),259-291
Recent Works: 
  • Toshio Yamagishi 2007. The social exchange heuristic: A psychological mechanism that makes a system of generalized exchange self-sustaining. Pp. 11-37 in Mark Radford, Susumu Ohnuma, and Toshio Yamagishi (Eds.), Cultural and ecological foundations of the mind. Hokkaido University Press.
  • Toshio Yamagishi and Naoto Suzuki In press. An institutional approach to culture. In Mark Schaller, Steven Heine, Ara Norenzayan, Toshio Yamagishi, and Tatsuya Kameda (Eds.), Evolution, culture and the human mind. Lawlence Ehlbaum.
  • Ko Kuwabara, Robb Willer, Michael Macy, Rie Mashima, Shigeru Terai, & Toshio Yamagishi 2007. Culture, identity, and structure in social exchange: A web-based trust experiment in the U.S. and Japan. Social Psychology Quarterly 70(4), 461-479.
  • Toshio Yamagishi, Hirofumi Hashimoto, & Joanna Schug. Preference vs. strategies as explanations for culture-specific behavior. Psychological Science. (In Press)
  • Mizuho Shinada, Toshio Yamagishi 2007. Punishing free riders: direct and indirect promotion of cooperation, Evolution and Human Behavior, 28(5) 330-339.
  • Toshio Yamagishi & Nobuhiro Mifune 2008. Does shared group membership promote atruism? Rationality and Society. 20(1):5-30.
  • Toshio Yamagishi, Nobuhiro Mifune, James H. Liu, & Joel Pauling. Exchanges of group-based favors: Ingroup bias in the prisoner’s dilemma game with minimal group in Japan and New Zealand. Asian Journal of Social Psychology. (In Press)
  • Chisato Takahashia, Toshio Yamagishi, Ja,es H. Liu, Feixue Wang, Yicheng Lin & Szihsien Yu. 2008. The intercultural trust paradigm: Studying joint cultural interaction and social exchange in real time over the Internet. International Journal of Intercultural Relations. (In Press)
Affiliation: 
北海道大学

 

さる1月26日土曜日の午後

VCASI公開研究会 『社会のルールについて』

日時: 
2008年1月26日(土) 13時から18時
場所: 
東京大学本郷キャンパス 経済学部3番教室
発表者: 
青木昌彦 (スタンフォード大学;VCASI主宰)
松井彰彦 (東京大学;VCASIフェロー)
川越敏司 (公立はこだて未来大学;VCASIフェロー)
山岸俊男 (北海道大学;VCASIフェロー)
瀧澤弘和 (多摩大学;VCASIフェロー)
橋本敬  (北陸先端科学技術大学院大学;VCASIフェロー)
概要: 

●13:00-13:10
主宰挨拶---VCASIの紹介と研究会の趣旨説明---

●13:10-13:55 青木昌彦(比較制度分析)
「社会的ルールの変化」

東京財団フォーラム『VCASIの実験』-「制度」の分析を核とした超学際的バーチャル研究所の発足に向けて

日時: 
2007年7月4日(水) 18時半から20時半
場所: 
日本財団ビル 2階第1会議室
発表者: 
青木昌彦(スタンフォード大学;VCASI主宰、)
鈴木健(国際大学グローコム;VCASIフェロー)
加藤創太(国際大学グローコム;VCASIフェロー)
概要: 
このたび東京財団では、最新のIT技術を活用して超学際的な比較制度分析研究を行うVCASIプロジェクトを発足させます。このVCASIプロジェクトを広く紹介するために、本シンポジウムを開催することとしました。比較制度論の世界的泰斗である青木昌彦特別上席研究員と若き二人の俊英が、制度分析という道具を縦横無尽に使って、日本の今、世界の今を解き明かします。ぜひご期待ください。

プログラム:
1.『VCASIの実験』(青木昌彦)
2.『VCASIのシステム設計』(鈴木健)
3.『VCASIの政策発信』(加藤創太)