Language: 日本語 English

比較制度分析

Author(s): 
Carsten Herrmann-Pillath and Ivan Boldyrev(岡本裕一朗・瀧澤弘和訳)
ISBN: 
475712340X
 
Published Date: 
Fri, 2017-06-16
Publisher: 
NTT出版
Abstract: 
 
Field Body: 
 
Author(s): 
青木昌彦/岡崎哲二/神取道宏 監修
ISBN: 
4757123256
 
Published Date: 
Thu, 2016-09-08
Publisher: 
NTT出版
Abstract: 
  故・青木昌彦氏が2011年に北京で開催した国際経済学連合の世界大会の記録から、青木氏が精選した論文で構成する1冊。
Field Body: 
 
Author(s): 
青木昌彦 著/谷口和弘訳
ISBN: 
4757122616

 

Published Date: 
Fri, 2011-02-25
Publisher: 
NTT出版
Abstract: 
コーポレーション(会社・組織)の本質と行動を進化多様性のひとつとして理解し、ゲーム理論、制度分析、 認知科学の研究成果を取り込んで展開する、比較制度分析(CIA)の創設者・青木昌彦による企業理論の決定版。 オックスフォード大学のクラレンドン講義で行われたレクチャーをもとに、書き下ろした著者10年ぶりの単著。


推薦文



青木昌彦は,ゲーム理論という「社会数学」を用いて,グローバル化という条件下での多様性の持続を説明する過程で,コーポレート・ガバナンスの深層構造を明らかにしている.深遠で,かつオリジナリティの高い彼の分析は,2008-2009年の金融危機の余波をうけたコーポレート・ガバナンス改革の問題に直接光を投じている.
 
――ケンブリッジ大学法学部教授 サイモン・ディーキン
 
 近年,最高の会社のレベルで,不正,腐敗,財政面での無責任といったことが重なったため,インセンティブの重要性を認識した経済学と,社会規範,会社の道徳的文化の重要性を認識した社会学を同時に組み込んだ,現代株式会社のモデルが急務となっている.青木教授は,企業組織にかんする彼の権威ある知識と,認識論的ゲーム理論における文化の役割についての基礎研究を結合し,コーポレーションの学際的モデルをはじめて生み出した.
 
――サンタフェ研究所教授 ハーバート・ギンタス
 
 本書は,コーポレーションの認知的基礎についての厳密な分析を示した開拓者的な著作である.組織形態の多様性の存在,それらを取り巻く歴史的・政治的・社会的・技術的文脈との関連性についての基本的な洞察を与えている.青木教授が進めてきた多くの研究と同様,われわれの株式会社の見方を大きく変えるであろう.
 
――オックスフォード大学サイード・ビジネススクール学長 コリン・メイヤー
 
 ゲーム理論の言語を用いて,一時点での,そして経時的な,コーポレーションの複雑な制度構造・制度的環境を定式化した開拓者的な貢献.
 
――1993年度ノーベル経済学賞受賞/ワシントン大学セントルイス校教授 ダグラス・ノース
 


刊行にあたって:著者ご挨拶
 
 VCASI の活動から何を学んだか/青木昌彦

 
 本書は2010年にオックスフォード大学出版会から出版されたCorporations in Evolving Diversity: Cognition, Governance,and Institutionsの翻訳ですが、VCASIの活動の一環としての『叢書 制度を考える』(NTT出版)の一冊として刊行されました。この書物は2008年のオックスフォード大学におけるクラレンドン講義を土台としていますが,その内容はその講義を真中に挟んでの4年間、VCASIにおいて行った研究や,そこで得た研究交流に負う所が大きいのです。VCASI の目的は,社会の秩序(ルール、制度)とその進化をよりよく理解するため,学際・世代・地理の壁を越境するコミュニケーションの場を実験するということにありますが、そこではこの4年間,私の専門としてきた経済学とゲームの理論の枠を越えて,認知科学(またその基礎としての脳科学)、進化理論,法理論,社会学、政治学、歴史学、ロボット学などの各分野の最前線で活躍されている研究者たち(VCASI フェロー)と若い世代の社会人・学生たち(VCASI フレンズ)のあいだに、バーチャルとリアルの双方の場で、新鮮な討論がおこなわれてきました。そうした場を通じて、私自身考え,学び得たことが,多く本書に反映されています。以下,それらの諸点を簡単に取りまとめてみたいと思います。
 
 第一に,私が学術書として最初70年に発表した『組織と計画の経済学』(岩波書店刊)は,ある与えられた目的を達成する仕組み(メカニズム)が、技術の性格(外部性、規模の経済性など)次第で、どのように市場と組織の間に振り分けられるか,を主題としていました。本書はそうした考えの延長線上に,では、なぜ企業は,コーポレーションという永続的で自己規制的な組織のかたちをとって現れるのかという問題を、その「集合的認知」のシステムという側面に焦点を当てて考えてみました。こうした視点は,企業を一つの「情報システム」として捉えるというアプローチにも連なるともいえますが,その真の狙いはコーポレーションという経済組織の本性の理解に、狭い意味での技術や情報の要請,カネによる支配という客観的要素に替えて、認知という、すぐれて人間的な要素を取り戻すことにあります。そして、集団的な認知システムにおける株主,経営者,従業員(広い意味での労働者)のそれぞれの役割と潜在的貢献の組み合わせ方によって,コーポレーションのアーキテクチャとガバナンスには原理的には5つの基本型があること,そしてそれは最近まで正統派の経済・法・金融理論が主唱してきた株主支配型という理念型にのみ還元しうるものではないことを明らかにしました。それによって,コーポレート・ガバナンス論における株主主権説と複数のステイクホルダーによる信託説という二つの対立した伝統的な考えが,それぞれ相対化されることになります。認知論的な見方の重要性について藤井直敬(理化学研究所)、山岸俊男(北海道大学)、谷淳(理化学研究所)、事業会社を越えてさかのぼるコーポレーションズの歴史的な意味を考える上で源河達史(新潟大学)、池上英子(New School for Social Research), 季衛東(上海交通大学),中林真幸(東京大学),酒井啓子(東京外国語大学)、コーポレート・ガバナンスをめぐって池尾和人(慶応義塾大学),谷口和弘(慶応義塾大学)、宮島英昭(早稲田大学),岡崎哲二(東京大学)、鶴光太郎(経済産業研究所)の各フェローから様々な示唆を得たことを記したいと思います。
 
 第2に、企業組織を「集合的なチーム」、あるいは「合理的主体間の契約関係」として見ることには,根本的に両立不可能な対立があるのか、という問題を考えてみました。このふたつの見方は,伝統的な社会学的アプローチと経済学的アプローチの対立に関わるとも言えましょう。84年に出版した『現代の企業』(岩波書店刊)では,会社企業組織の目的が、どのように株主と従業員の個別利益の葛藤(競争)と折り合い(協定)を通じて浮かび上がってくるか,をテーマとしていました。さらに特定化して言えば,もし企業の成員のあいだに(ナッシュ解の意味で)公平性についての同意が成り立つならば,企業の目的は、企業組織成員の個別的利益の比重づけられた和として表現できることを明らかにしたのです。しかし、株主や従業員が,会社の成長、雇用保障や社会貢献などについて異なった評価を持つ場合には,そうした最大化は企業成員の個別的な利己的行動を約束によって拘束することを必要とします。このように個々のプレイヤーが互いの約束事にコミットしうることを想定した「協調ゲーム理論」にたいし、80年代から90年代にかけて「非協調ゲーム理論」にもとづく,企業理論が主な流れになりました。後者は,個々のプレイヤーの利己的な動機にもとづいて約束事(契約)が事後的に覆されることがないような解を明示的に求めるアプローチです。企業の文脈では,株主を主人(プリンシパル),経営者・労働者をその代理人(エージェント)とするプリンシパル=エージェントの契約理論によって、企業行動が説明されることになります。しかし、こうした個別的な契約関係の背後には,何らかの共通の理解が後ろ盾になっているということはないでしょうか。最近のゲーム理論は、次のことを明らかにしています。すなわち、組織成員の間で移転可能な組織成果の分配について公平性の観念が共有されるならば,個々の組織参加者が各々の個人的物質的利得を追求するよう行動することによって得られる結果は、彼らが同一の目的、すなわち企業のチームとしての利益、を最大化することと同値になるということです。つまり,企業がチームとして成り立つことと,個人が利己的な物質的利益を追求するという想定とが矛盾しないところの、根底的な社会的条件が明らかにされたわけです。もちろん共有されうる公平性の観念は,歴史的に形成される共有知識としての文化および経済・政治・社会の構造の進化に依存しますが,一般的に言って,企業組織は単に効率性追求の道具としてのみあるのではなく,社会関係的な組織としてもありうるということが示唆されるのです。本書ではさらにコーポレーションをも越えた社会秩序一般にとっても,集合的視角と個人主義的視角は必ずしも相反するものではなく,補完的でありうる構造を明らかにしようと努めています(特に第4章)。著者のゲーム理論にかんする理解を深めてくださった点で、神取道宏(東京大学)、金子守(筑波大学)、川越敏司(はこだて未来大学)、小島武仁(Stanford University),松井彰彦(東京大学)、西條辰義(大阪大学)、宇井貴志(横浜国立大学)、安田洋佑(政策研究大学院),また社会のルールの二面性(社会性と個別性)についての議論の相手をしてくださった瀧沢弘和(中央大学)、山岸俊男(北海道大学)の各フェロー、および藤谷武史(北海道大学)、成田悠輔(東京大学)氏に感謝したいと思います。
 
 第3に、本書は、市場を越えた政治や社会関係という文脈におけるコーポレーションの行動をも、ゲーム理論的に明示的に扱おうと試みています。そうすることによって,ダグラス・ノースらの新制度学派や過去十年間支配的な影響力を持ったアンドレイ・シュライファーの法起源論が主張したような、コーポレーションは国家と法による第三者支配によってはじめて成り立つ、という見方から距離を置きます。コーポレーションと国家の形態は,むしろ相互作用しつつ共進化すると見るべきだからだとおもうからです。また、コーポレーションによる社会関係資本の蓄積という概念を導入することによって,会社の社会的責任(CSR)プログラムへの積極的な参加が,どのような経済的、社会的、政治的意味を持つか,の分析をも試みました。これらの分析は、基本的には2001年に出版した 『比較制度分析に向けて』において構想した制度分析の枠組みに依拠しています。しかし、コーポレーションを「集団的認知」のシステムとしてみるという考えと並行的に、制度一般をも、社会の秩序としてのゲームのプレイのしかたに対する「共通認知」を人々の間に生み出す外的表象=集合的な外的認知資産としての側面をより強調することにより、01年の著書の内容をさらに一歩進めることが出来たと自負します。制度の超学際的(trans-disciplinary)な理解にかんしては,橋本敬(北陸先端科学技術大学院)、Carsten Herrmann-Pillath (Frankfurt School of Finance and Management),加藤淳子(東京大学),河野勝(早稲田大学)、大屋雄裕(名古屋大学),鈴木健(東京大学),山岸俊男(北海道大学)各フェローとの対話から多くのことを学びました。
 
 第4に,以上のような一般理論的な考察をバックグラウンドにして、本書最終章では,日本のコーポレート・ガバナンスのランドスケープについての独自の解釈を試みています。そこでは、日本の状況を基本的に制度変化の過渡期における徴候として理解しようとしています。日本のデータについては,VCASIに先立つ経済産業研究所時代の共同研究における宮島英昭氏の業績に多くよっていますが,さらに現状理解を深めるうえで、Gerald Curtis (Columbia University),玄田有史(東京大学)、久米郁男(早稲田大学),宮崎広和(Cornell University),守島基博(一橋大学)、寺西重郎(日本大学)、鶴光太郎(経済産業研究所),山口一男(University of Chicago)各フェロー、および清水真人氏(日本経済新聞)との対話が大いに有意義でした。
 
 このように本書をVCASIでの研究成果物の一つとして、読んでいただけるならば大変に幸いです。
Field Body: 
 

青木昌彦氏「雁行形態パラダイムVer.2」VCASI公開研究会

日時: 
2010年10月13日(水) 17:30-19:00
場所: 
日本財団ビル2F 第3会議室
発表者: 
青木昌彦氏(比較制度分析/VCASI,東京財団/http://www.vcasi.org /fellow/青木-昌彦)
概要: 
Present a simple, but new framework for the comparative development of East Asian economies which integrates demographic-economic-institutional factors. Introduce the concept of the Flying Geese Paradigm Ver 2.0. and dynamic complementarities of developmental strategies in this paradigm. Discusses the policy agenda of Japan which faces the unprecedented phase of population aging.
 
ビデオあり: 
no
Author(s): 
Masahiko Aoki
日付: 
Sat, 2010-06-12
Abstract: 
 In institutional studies various concepts and terms have been proposed to describe institutional phenomena and their nature. They include behavioral regularity, habituation, collective intentionality, common knowledge, shared beliefs, artifacts, rules of the game, system of signs, and many more. Depending on which of these are adopted as major concepts, varied methodologies may be distinguished. This paper attempts to relate some of these concepts into a unified framework for an understanding of institutional phenomena and processes. Specifically, it interprets some achievements in epistemic and potential game theory in the context of institutional studies. Although game theory is sometimes regarded as a quintessential example of the theoretical approach based on methodological individualism, it suggests that notions of external artifacts (public representations) and internal mental states (internal representations), as well as those of agency and sociality, should not be taken as opposing concepts. The combination of these four elements suggests the dual-dualities of institutional processes.

 

Author(s): 
Masahiko Aoki
日付: 
Tue, 2010-03-09
Author(s): 
Masahiko Aoki
ISBN: 
0199218536

 

Published Date: 
Mon, 2010-03-15
Publisher: 
Oxford University Press
Abstract: 
The present global economic crisis demands we look anew at the role of corporations, and the working of financial markets around the world. In this challenging and insightful book, one of our most eminent economists provides a compelling new analysis of the corporate firm; the role of shareholders, managers and workers; and institutional governance structures. In recent decades the firm has predominantly been seen as an organization run and governed in the interests of shareholders, where management act as the agent of shareholders, and the workers simply as instruments for share-value maximization. This book reverses this viewpoint. It sees corporations as cognitive systems where 'cognitive actions' are distributed amongst managers and workers, with shareholders in effect supplying 'cognitive tools' to them. Aoki analyses the different relationships that can exist between shareholders, managers, and workers from this perspective, and identifies a range of different models of organizational architecture and associated governance structures. He also discusses ways in which corporations act as players in social, political, and organizational games, as well as global economic games; how these inter-related social dynamics may change particular, distinctive national structures into the diversity incorporated in the global corporate landscape; and how they now call for new roles for financial markets.




 "Masahiko Aoki uses the social mathematics of game theory to reveal the deep structure of corporate governance systems, in the process explaining the persistence of diversity under conditions of globalization. His profound and highly original analysis speaks directly to the issue of corporate governance reform in the aftermath of the financial crisis of 2008-9."--Simon Deakin, Professor of Law,University of Cambridge

"The recent wave of fraud, corruption, and fiscal irresponsibility at the highest corporate levels dramatizes the need for a model of the modern corporation that is at the same time deeply economic in the recognition of the centrality of incentives, and deeply sociological in the recognition of the centrality of social norms and a culture of corporate morality. Professor Aoki has combined his magisterial knowledge of business organization with a foundational study of the role of culture in epistemic game theory to produce, for the first time, a truly transdisciplinary model of the corporation."--Herbert Gintis, Santa Fe Institute

"This is a path breaking book that provides a rigorous analysis of the cognitive underpinnings of corporations. It gives fundamental insights into the diversity of organizational forms that exist and the association of these with the historical, political, social, and technological contexts within which they operate. As with so much of Professor Aoki's work, it will radically alter the way in which we view the corporation."--Colin Mayer, Peter Moores, Dean, Saïd Business School, University of Oxford

"A pioneering contribution which formalizes in game theoretic language complex institutional structure and environment of the corporation both at a moment of time and over time."--Douglass C. North, Nobel Laureate in Economics 1993, Spencer, T. Olin Professor in Arts and Sciences, Washington University in St. Louis

→ 詳細(英文)

Field Body: 
 
Author(s): 
アブナー・グライフ (著), 岡崎 哲二 (監修, 翻訳), 神取 道宏 (監修, 翻訳)
ISBN: 
4757141246

 

Published Date: 
Wed, 2009-12-09
Publisher: 
NTT出版
Abstract: 
本書は、中世後期(11世紀~14世紀)の地中海イスラーム世界とジェノヴァなどのヨーロッパ世界の貿易・慣習・社会制度について、ゲーム理論をツールとする比較制度分析を試みている。商人同士の取引、ギルド、政治制度などを数理的にモデル化して、経済史と経済理論の統合を目指している。また本書は、制度とはなにか、それはなぜ存続し、どのようにして変化するか、また制度を理論的・実証的に分析する方法はなにか、という壮大な問いにも答えようとする斬新な試みでもある。「比較歴史制度分析」の創始者であるアブナー・グライフの主著にして初めての邦訳つきになる。

解説へ
叢書《制度を考える》のページへ

Field Body: 
 
Author(s): 
Masahiko Aoki
日付: 
Sat, 2009-08-01
Author(s): 
Masahiko Aoki
日付: 
Wed, 2009-06-10
Author(s): 
Masahiko Aoki
日付: 
Wed, 2009-06-10

VCASIは今般、企業を含む広義の社団組織としてのコーポレーションという概念の捉え直しを、理論・実証・政策の諸領域にわたって検討する研究プロジェクト「コーポレーション」を立ち上げた。本公開フォーラムはそのキックオフといえるもので、プロジェクトメンバーを中心に今後の課題について広く採り上げ、また議論することを目的としている。フォーラムは、

(1)認知科学の成果を取り入れたコーポレーション概念の理論的検討、

(2)日本・西欧・イスラーム・中国における社団組織の比較分析、

(3) (1)(2)を踏まえたコーポレート・ガバナンスや雇用問題の検討

をそれぞれ主題とする3部より構成され、パネルには総勢15名の研究者・実務家が立った。

第4回VCASI公開フォーラム『コーポレーション』

日時: 
2009年3月28日(土) 10時から17時半
場所: 
日本財団ビル2F 大会議室
発表者: 
青木昌彦(VCASI主宰、スタンフォード大学名誉教授)
源河達史(新潟大学超域研究機構准教授;VCASIフェロー))
池上英子(New School for Social Research教授;VCASIフェロー)
池尾和人(慶應義塾大学経済学部教授;VCASIフェロー)
季衛東(上海交通大学法学院院長、神戸大学法学部教授;VCASIフェロー)
久米郁男(早稲田大学政治経済学部教授;VCASIフェロー)
宮島英昭(早稲田大学商学学術院教授;VCASIフェロー)
守島基博(一橋大学大学院商学研究科教授;VCASIフェロー)
中林真幸(東京大学社会科学研究所准教授;VCASIフェロー)
新原浩朗(経済産業省経済産業政策局産業組織課 課長)
酒井啓子(東京外国語大学大学院教授;VCASIフェロー)
瀧澤弘和(多摩大学グローバルスタディーズ学部准教授;VCASIフェロー)
谷口和弘(慶応義塾大学商学部准教授;VCASIフェロー)
鶴光太郎(RIETI上席研究員;VCASIフェロー)
植田一博(東京大学大学院総合文化研究科准教授;VCASIフェロー)
概要: 

グローバル化した世界において、企業の組織構造とコーポレート・ガバナンスはいかなるものになるのだろうか。

世界的な金融危機に直面する今日、株主志向のコーポレート・ガバナンスへの単純な収斂論には疑問が付され、この問いは一層切実なものとなっている。変化の先を見据えるためには、企業と企業を機能させる政治・社会制度との連関を見つつ、それらの果たす役割に着目することが必要である。他方、認知科学や脳科学における社会的認知に関する知見の蓄積や実験経済学の成果などから、経済学がこれまで依拠してきた、合理的個人を基礎として組織を捉えるモデルの限界が明らかになり、個人と組織の関係を分析する新たなアプローチが模索されている。企業を含む広義の社団組織としてのコーポレーションという概念の捉え直しが、理論・実証・政策の諸領域にわたって求められているといえるだろう。

今般、VCASIでは上述した問いにアプローチするべく、「コーポレーション」をテーマに研究プロジェクトを立ち上げた。本公開フォーラムはそのキックオフともいえるもので、プロジェクトメンバーを中心に今後の課題について広く採り上げ、また議論することを目的としている。

まず第1部では、集団的認知とコーポレート・ガバナンスの形態との結びつきを理論的に考察し、コーポレーションの多様化を分析する視座を提示する。続く第2部では、コーポレーションの自己統治を機能させる文化や社会規範が、それぞれの政治・社会において形成されてきた過程を、日本・中国・西欧・イスラームを事例に、比較・歴史的な視点から議論する。そして第3部では、こうした議論をふまえ、今日の経済危機や雇用問題をみるとき、いかなる政策的含意が引き出せるか議論する。

パネルには社会科学諸分野や認知科学などの研究者・実務家が立ち、ディシプリンを越えた討議を行う。
関心をお持ちの多くの方に、参加をお願いしたい。 (プロジェクトリーダー:青木昌彦)

プログラム:

(1) 第1部 コーポレーションの本質を再考する---認知システムとしての側面から
10:00-12:00
報告:青木昌彦(VCASI主宰、スタンフォード大学名誉教授)
ビデオあり: 
報告ページにビデオあり
多様化の時代をどう生きるか
執筆者:青木昌彦 VCASI主宰・国際経済学会連合(IEA)会長

今世紀の初め、ある高名なエール大学法学部教授が、『会社法の歴史の終わり』という論文を発表して評判になった。株主支配による会社統治の優越性は世界的に疑いもなく確立したので、もはや理論的にも、実践的にも論争の余地はなくなったということだった。『歴史の終わり』とは、ソ連邦の国家体制の崩壊をうけて、イデオロギー対立の時代の終わりを示唆したフランシス・フクヤマの本のタイトルのもじりだが、昨年おきた世界的な金融危機は、世の中はそう単純でないことを明らかにした。ウォール・ストリートの貪欲が世界を引き回す「ひとつの時代」は終わったが、ある大きな出来事が社会秩序の変化の引き金になるという意味での歴史は終わらない。
Author(s): 
青木昌彦、奥野正寛、金ケイキ
ISBN: 
4532131405
Published Date: 
Sat, 1997-11-01
Publisher: 
日本経済新聞社
Abstract: 
「市場か政府か」あるいは「市場友好的見解か開発指向国家的見解か」の二者択一ではなく、政府の役割に関する第三の見解「市場拡張的見解」を提示。日本をはじめ、世界のあらゆる国・地域の経済発展・構造改革、経済システム論争への豊富な含意を備えた革新的な理論・歴史研究。
Field Body: 

Author(s): 
青木昌彦、ロナルド ドーア
ISBN: 
487188404X
Published Date: 
Fri, 1995-12-01
Publisher: 
NTT出版
Abstract: 
日本企業の本質的理解と制度改革をめざす14の論文を収録。日本経済の進むべき道を示唆。「日本企業の研究開発」「企業集団とメインバンク制度」「株式持合いとコーポレート・ガバナンス」など。
Field Body: 

Author(s): 
青木昌彦
ISBN: 
448085617X
Published Date: 
Thu, 1992-10-01
Publisher: 
筑摩書房
Abstract: 
企業を中心とする日本経済のミクロ構造を統一的・包括的に分析し、日本経済の基本的な制度構造の特性を明らかにした画期的な研究成果。1990年日本学士院賞。全米大学出版局連合第1回有沢広巳記念賞。イタリア・イグレシアス経済科学賞各賞受賞。
Field Body: 

Author(s): 
青木昌彦
ISBN: 
4062919303
Published Date: 
Wed, 2008-12-10
Publisher: 
講談社
Abstract: 
世界と日本の経済システムはどう変わるか? 揺れ動くアメリカ型経済モデル。出口の見えない日本経済。多様なシステムを活用し、経済制度や企業組織をどう進化させるか。新しい経済学「比較制度分析」入門!
Field Body: