Language: 日本語 English

社会学

山口一男氏「女性就業者のネガティブ・ステレオタイプについての2種の予言の自己成就メカニズムとその解消への道筋について」(第27回VCASIセミナー)

日時: 
2010年7月8日(木) 17:00-
場所: 
日本財団ビル2階第8会議室
発表者: 
山口一男(VCASIフェロー・シカゴ大学・経済産業研究所/http://sociology.uchicago.edu/people/faculty/yamaguchi.shtml)
概要: 
川口章は近著『ジェンダー経済格差』で経済における男女格差が埋まらない原因をゲーム理論における戦略的補完性の概念で説明を試みている、私は近著『ワークライフバランス 実証と政策提言』でわが国において男女共同参画が進まない理由を、女性への統計的差別が経済的に非合理でありながら、その非合理を解消しにくい構造があることにより示した。今回の発表はこの2つの考えを統合する形で、特に女性のネガティブ・ステレオタイプに2種の予言の自己成就的メカニズムがあること、予言の自己成就が成立するには一定の条件があることを示しながら、他の制度との戦略的補完性を持つため解消が難しいと考えられる女性の統計的差別について、その解消の道筋を議論する。
 
ビデオあり: 
no

鈴木健氏「社会システム2.0 ~なめらかな社会とその敵~」(第2回VCASIブレインストーミングセッション)

日時: 
2010年4月12日(月)18:00-21:00
場所: 
日本財団ビル3階A会議室
発表者: 
鈴木健氏(東京大学大学院総合文化研究科/情報社会学)
概要: 
情報技術を用いて、この社会をバージョンアップすることを試みたい。活版印刷技術が数百年かけて近代社会に様々な革命をもたらしたように、コンピュータやインターネットの登場は、社会に革命的な変化をもたらすと言われてきた。しかし、インターネットが社会に広く利用されるようになって15年たつが、未だにこうした変化は起きていない。これはむしろ当然ともいえる。アラン・ケイの言う通り、300年スパンでしか本質的な変化は起きないのかもしれない。本研究では、アラン・ケイの「未来を予測する最良の方法は未来を発明することである」という有名なテーゼに基づき、社会システムを発明することを試みる。具体的には、貨幣システム、投票システム、軍事システムなどがその対象となる。伝播投資貨幣PICSY、分人民主主義 divicracyといった発明がどのように国家、組織、個人といったものの仮想化を支えていくか、理論、数理モデル、思想、分析、背景などを含めて総合的に議論する。近代社会を成立させた私的所有、自他分離、友敵区別の概念を乗り越えることによって、近代社会の単なるマイナーバージョンアップではなく、メジャーバージョンアップを目指したい。

参考情報:「なめらかな社会の距離設計」(鈴木健) http://ised-glocom.g.hatena.ne.jp/ised/20060114

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お忙しい中恐縮ですが、ご都合のつく方はぜひご参加いただければと思います。
ご参加いただける方は、件名を『「社会システム2.0」参加希望』とし、
ビデオあり: 
no
First Name(English): 
Naoki
Last Name(English): 
Masuda

 

Speciality: 

複雑ネットワーク,数理生物学,脳の理論

Interests: 

感染ダイナミクス,協力行動の進化,集団意見形成,神経経済学

Recent Thoughts: 

複雑ネットワークと脳は,一見関係ない研究テーマであり,関連をさほど意識しないで研究している.ただ,人の社会は複雑なネットワークを成し,脳が社会的な行動を生み出す,ということで,大きな目標としては,人の社会行動の理解や何らかの意味での応用を目指したい.直接関係しない論文を書いているときも,私なりに人の社会行動の理解へと向かっているつもりである.

Publications: 
  • 増田 直紀, 今野 紀雄. 複雑ネットワークの科学. 産業図書 (2005).
  • N. Masuda. Participation costs dismiss the advantage of heterogeneous networks in evolution of cooperation. Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences, 274, 1815-1821 (2007).
  • N. Masuda, B. Doiron. Gamma oscillations of spiking neural populations enhance signal discrimination. PLoS Computational Biology, 3, e236, 2348-2355 (2007).
  • 増田 直紀, 今野 紀雄. 複雑ネットワーク―基礎から応用まで. 近代科学社(2010)
Recent Works: 
  • N. Masuda, H. Ohtsuki. A theoretical analysis of temporal difference learning in the iterated Prisoner's Dilemma game. Bulletin of Mathematical Biology, 71, 1818-1850 (2009).
  • N. Masuda. Immunization of networks with community structure. New Journal of Physics, 11, 123018 (2009).
  • N. Masuda, Y. Kawamura, H. Kori. Collective fluctuations in networks of noisy components. Preprint: arXiv:0911.5013
Affiliation: 
東京大学 大学院情報理工学系研究科
Author(s): 
季衛東
ISBN: 
7308065200
Published Date: 
Wed, 2009-04-01
Publisher: 
浙江大学出版社
Abstract: 
《法制的转轨》主要内容是:当今中国,正处于创造性混沌的漩涡里。社会中的那些腐朽结构逐步分崩离析,固然造成了层出不穷的空白、错位、矛盾、混乱、失范、冲突以及不可预测性,但是,就在混沌一片的边缘,你可以欣喜地发现,新秩序的构成因素也在渐次形成和壮大。法律人则不断致力于对一些偶然出现的事物进行非随机化处理和技术加工,使之转写到制度设计的方案之中,促成社会的进化。
Author(s): 
山口一男
ISBN: 
4532133785
Published Date: 
Wed, 2009-12-02
Publisher: 
日本経済新聞出版社
Abstract: 
少子化問題はお金だけで解決しない! 働きすぎ、男女不平等など日本で依然際立つ「ワークライフアンバランス」の真因を、出産意欲や夫婦関係にまで分析対象を広げ鮮やかに解明。実効性ある改革案を提言する。

本書には、大沢真知子氏(日本女子大学教授)、勝間和代氏(経済評論家・公認会計士)、樋口美雄氏(慶応大学教授)に推薦文を寄せていただきましたのでご紹介します。

ワークライフバランスは21世紀の日本社会を活性化させる鍵だといわれてきた。そして、その理論的根拠を示す書物の出版が待たれていた。本書は、その必要性を実証的に示した待望の一冊である。この分野に関心をもつすべてのひとにとっての必読の書であることは間違いない(大沢真知子(日本女子大学教授))

日本経済再生の真の処方せんはここにあります。ワークライフバランス、少子化、男女共同参画、なぜすべてが袋小路なのか、どこから解決していけばいいのか、さまざまな実証研究に基づいた、政治・経済関係者の必携の書です。(勝間和代(経済評論家、公認会計士))

わが国におけるワークライフバランスの欠如が、戦後高度成長期に発展した雇用システムを機能不全に陥れていると指摘。価値観を超えた著者独自の客観的実証分析の結果を根拠にした具体的政策提言は、日本社会の再活性化をねがう誰をもうならせる。(樋口美雄(慶應義塾大学教授))


第4回VCASI公開フォーラム『コーポレーション』

日時: 
2009年3月28日(土) 10時から17時半
場所: 
日本財団ビル2F 大会議室
発表者: 
青木昌彦(VCASI主宰、スタンフォード大学名誉教授)
源河達史(新潟大学超域研究機構准教授;VCASIフェロー))
池上英子(New School for Social Research教授;VCASIフェロー)
池尾和人(慶應義塾大学経済学部教授;VCASIフェロー)
季衛東(上海交通大学法学院院長、神戸大学法学部教授;VCASIフェロー)
久米郁男(早稲田大学政治経済学部教授;VCASIフェロー)
宮島英昭(早稲田大学商学学術院教授;VCASIフェロー)
守島基博(一橋大学大学院商学研究科教授;VCASIフェロー)
中林真幸(東京大学社会科学研究所准教授;VCASIフェロー)
新原浩朗(経済産業省経済産業政策局産業組織課 課長)
酒井啓子(東京外国語大学大学院教授;VCASIフェロー)
瀧澤弘和(多摩大学グローバルスタディーズ学部准教授;VCASIフェロー)
谷口和弘(慶応義塾大学商学部准教授;VCASIフェロー)
鶴光太郎(RIETI上席研究員;VCASIフェロー)
植田一博(東京大学大学院総合文化研究科准教授;VCASIフェロー)
概要: 

グローバル化した世界において、企業の組織構造とコーポレート・ガバナンスはいかなるものになるのだろうか。

世界的な金融危機に直面する今日、株主志向のコーポレート・ガバナンスへの単純な収斂論には疑問が付され、この問いは一層切実なものとなっている。変化の先を見据えるためには、企業と企業を機能させる政治・社会制度との連関を見つつ、それらの果たす役割に着目することが必要である。他方、認知科学や脳科学における社会的認知に関する知見の蓄積や実験経済学の成果などから、経済学がこれまで依拠してきた、合理的個人を基礎として組織を捉えるモデルの限界が明らかになり、個人と組織の関係を分析する新たなアプローチが模索されている。企業を含む広義の社団組織としてのコーポレーションという概念の捉え直しが、理論・実証・政策の諸領域にわたって求められているといえるだろう。

今般、VCASIでは上述した問いにアプローチするべく、「コーポレーション」をテーマに研究プロジェクトを立ち上げた。本公開フォーラムはそのキックオフともいえるもので、プロジェクトメンバーを中心に今後の課題について広く採り上げ、また議論することを目的としている。

まず第1部では、集団的認知とコーポレート・ガバナンスの形態との結びつきを理論的に考察し、コーポレーションの多様化を分析する視座を提示する。続く第2部では、コーポレーションの自己統治を機能させる文化や社会規範が、それぞれの政治・社会において形成されてきた過程を、日本・中国・西欧・イスラームを事例に、比較・歴史的な視点から議論する。そして第3部では、こうした議論をふまえ、今日の経済危機や雇用問題をみるとき、いかなる政策的含意が引き出せるか議論する。

パネルには社会科学諸分野や認知科学などの研究者・実務家が立ち、ディシプリンを越えた討議を行う。
関心をお持ちの多くの方に、参加をお願いしたい。 (プロジェクトリーダー:青木昌彦)

プログラム:

(1) 第1部 コーポレーションの本質を再考する---認知システムとしての側面から
10:00-12:00
報告:青木昌彦(VCASI主宰、スタンフォード大学名誉教授)
ビデオあり: 
報告ページにビデオあり
Author(s): 
池上英子
ISBN: 
4757140169
Published Date: 
Wed, 2006-03-01
Publisher: 
NTT出版
Abstract: 
命を懸けたサムライの真実とは? 赤穂四十七士、葉隠武士、維新の志士たちを駆りたてた情念の秘密を解き明かす、衝撃の日本社会論。
Field Body: 

Author(s): 
池上英子
ISBN: 
4757141165
Published Date: 
Sun, 2006-07-09
Publisher: 
NTT出版
Abstract: 
▼連歌や俳諧、茶の湯、歌舞伎、出版……。あらゆる階層の日本人の魂を深く鍛えてきた近世日本の伝統文化。▼前著『名誉と順応』でサムライ文化の歴史社会学的分析で話題を呼んだ著者が、今回は「ネットワーク」と「シヴィリティ=市民的礼節」をキーワードに、美という結節点が如何にして市民的交際と礼節の文化を生み出し、それが日本人の政治意識やアイデンティティーにまでも深く影響を与えてきたかを分析する。▼日本文化史の読み替えを迫る画期的大著。ピーター・ゲイ、アマルティア・センも推奨。
Field Body: 

三次元仮想世界と市民社会
執筆者:池上英子 New School大学院社会学部長/教授

最近、三次元仮想社会の研究に凝っている。そこでは、アニメのような自分の分身(アバター)のイメージを駆使して、三次元の仮想空間で、コミュニケーションを行うのである。ただし、私が、ここで三次元仮想社会と呼んでいるのは、いわゆるオンライン3D「ゲーム」ではなく、コミュニティ型の仮想「社会」のことである。今のところ、この種のプラットホームとしては世界中で一番会員が多い「セカンドライフ」がよく知られているが、その他にも様々な試みが行われている。「セカンドライフ」と言えば、日本では一昨年以来、そのビジネス面での可能性のみが一時バブル的に喧伝され、またそれが急速に冷え込むという現象があった。しかし私は長い目でみると、こうした三次元仮想社会が、将来のコミュニケーションを構成する社会的なインフラに成長する可能性があり、また、制度研究としても、実に面白い問題をはらんでいると考えて興味を持つようになった。
First Name(English): 
Riina
Last Name(English): 
Toya

 

Speciality: 

歴史学(経営史、文化史、社会史)、社会心理学、ブランディング

Interests: 

企業イメージ構築の歴史的分析、「感性産業」の組織的特色、企業と社会・文化、グローバル化とデザイン、慣習としての美意識と経済

Recent Thoughts: 

ファッションや化粧品などを中心に「感性産業」と称される企業のイメージ(あるいはブランド価値)がいかに構築されていくのか、その歴史的過程に関心を持っています。時代の先端となる美意識を再生産する組織の特性に加えて、そうした企業の活動と都市や国のイメージの形成との相関についても、幅広く社会史を視野にいれながら分析していきたいと思います。資生堂(1872年創業)を対象に研究を続けています。

Publications: 
Recent Works: 
  • 『東京銀座資生堂(仮題)』
Affiliation: 
国際日本文化研究センター
First Name(English): 
Takehiko
Last Name(English): 
Kariya
Speciality: 

教育社会学、比較社会学

Interests: 

教育達成と社会階層・社会移動、学校から職業への移行、教育政策の社会的影響、戦後日本の社会変動論

Recent Thoughts: 
戦後日本社会の義務教育への財政支出の仕組みが、日本人の「教育の機会均等」の考え方とどのように結びついていたのかを、戦後教育財政の制度化過程を追うことで明らかにしたいと思っています。このような戦後教育の成立過程の問題を中心に、(大きなテーマですが)戦後日本社会の形成がどのような条件のもとで展開したのかを、労働移動などと関連させつつ、比較社会学的に明らかにする研究に発展させたいと考えています。
Publications: 
  • 『大衆教育社会のゆくえ:平等神話と学歴主義の戦後史』中公新書、1995年
  • 『階層化日本と教育危機』有信堂、2001年
  • 『教育改革の幻想』ちくま新書、2002年
  • 『教育の世紀:学び、教える思想』弘文堂、2005年
  • 『学力の社会学』(共編著)岩波書店2005年、2006年
  • 『格差社会と教育改革』(共著)、岩波書店、2008年
  • 『杉並区立「和田中」の学校改革 : 検証地方分権化時代の教育改革』(共著)、岩波書店、2008年。
Recent Works: 
  • 『教育再生の迷走』筑摩書房
  • 『学力と階層』朝日新聞出版社
Affiliation: 
オックスフォード大学
Author(s): 
大屋雄裕
ISBN: 
4779501466
Published Date: 
Tue, 2007-05-01
Publisher: 
ナカニシヤ出版
Abstract: 
「男女共同参画社会基本法」において、男女共同参画社会を形成するために不可欠な政策として位置づけられた「積極的改善措置」=ポジティブ・アクション(アファーマティブ・アクション)。いまや世界の約半数の国で何らかのポジティブ・アクション政策が採用される中、わが国においてはその定義や具体的な適用をめぐって広範な合意が成立しているとはいまだいえない。本書では、デモクラシー論、リベラリズム、平等理論の観点からその定義を理論的に考察し、さらには政治・行政・経済・教育・社会保障など具体的側面におけるそのあり方を展望する。新たな制度デザインのために多角的な論点を提供する初の本格的論文集。
Field Body: 

First Name(English): 
Kazuo
Last Name(English): 
Yamaguchi
Speciality: 

社会学
 

Interests: 

社会統計学、家族と就業、格差・不平等

Recent Thoughts: 

最近我が国でワーク・ライフ・バランス概念を中心に、少子化対策や男女共同参画に関する分析や政策提言をしているが、それをEvidence-Basedで かつ、人々の心と行動 の原理に即したものにできるだけ近づけたいと考えている。またパネル調査分析方法で、潜在クラス変数の利用について既存のものよりさらに発展させ、直接観 察できない人々の多様な人生選択や人生行路のありさまと社会状況のかかわりを、より生き生きと描きたいと考えている。

Publications: 
  • Yamaguchi, Kazuo. 1991. Event History Analysis. Sage Publications.
  • Yamaguchi, Kazuo. 1992. "Accelerated Failure Time Regression Models with a Regression Model of Surviving Fraction: An Application to the Analysis of 'Permanent Employment' in Japan." Journal of the American Statistical Association 87: 284-292.
  • Yamaguchi, Kazuo and Linda Ferguson. 1995. "The Stopping and Spacing of Childbirths and Their Birth-History Predictors: Rational-Choice Theory and Event-History Analysis." American Sociological Review 60: 272-98.
Recent Works: 
Affiliation: 
シカゴ大学、経済産業研究所