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VCASIセミナー

VCASIセミナー 鈴木健『なめらかな社会とその敵』論評会(第36回VCASIセミナー)

日時: 
2013年9月9日(月)13:00 - 18:00
場所: 
東京財団
発表者: 
鈴木健(VCASIフェロー,サルガッソー代表)
瀧澤弘和(VCASIフェロー,中央大学)
岩村充(早稲田大学)
大屋雄裕(VCASIフェロー,名古屋大学)
坂井豊貴(慶應義塾大学)
武藤正義(芝浦工業大学)
山岸俊男(VCASIフェロー,東京大学)
猪口孝(新潟県立大学)
(予定。敬称は略させていただきました。)
概要: 

第Ⅰ部:諸分野からの論点提起(敬称略,予定)

13:00 - 13:30 鈴木健:「『なめらかな社会とその敵』イントロダクション」
13:30 - 13:50 瀧澤弘和:「PICSY経済,言語の重要性」
13:50 - 14:10 岩村充:「レジデュアルとしての貨幣」
14:10 - 14:30 大屋雄裕:「近代法と個人の存在」

14:30 - 14:35 小休憩

14:35 - 14:55 坂井豊貴:「社会的選択理論に基づくコメント」
14:55 - 15:15 武藤正義:数理社会学的応答:多重所属と生命性をテコに
15:15 - 15:35 山岸俊男:「壁と鳥もち」
15:35 - 15:55 猪口孝:「鈴木健『なめらかな社会とその敵』に対して政治学者から三つのお願い」

 
第Ⅱ部:フリーディスカッション(敬称略,予定,50音順)
16:10 - 18:00
安藤馨(法哲学),井上明人(ゲーミフィケーション),大澤真幸(社会学)(ご欠席),公文俊平(情報社会学),河野哲也(生態学的心理学),斉藤賢爾(社会システム工学),笹原和俊(複雑系科学),高野陽太郎(認知科学),戸矢理衣奈(歴史学),長谷川眞理子(行動生態学),山口一男(社会学),與那覇潤(歴史学)

 
当日の模様はU-streamで配信し,VCASIチャンネル上に残す予定です(YouTubeにはアップロードしない予定です).是非ご覧ください.なお,本研究会は会場の都合により,クローズドなかたちで行わせていただきます.会場にお越しになられてもご入場できませんので,予めご了承ください.

※ハッシュタグは「#なめ敵」です.コメントを取り上げる時間も設ける予定です.

USTREAM URL
http://www.ustream.tv/channel/vcasi-seminar

 
 
ビデオあり: 
no

南本敬史氏「脳はいかにモチベーションをコントロールしているか?」(第35回VCASIセミナー)

日時: 
2010年2月17日(木)17:00-
場所: 
日本財団ビル3階A会議室(http://www.vcasi.org/access.html)
発表者: 
南本敬史氏(脳神経科学/http://researchmap.jp/minamoto//放射線医学総合研究所分子イメージング研究センター)
概要: 
モチベーションが高いと,同じ行動でも早く正確になるように,モチベーションは我々の行動を司る重要な脳プロセスである.モチベーションがいかに制御されているかを知ることは,生命の原理を探る上でも,我々の社会生活を豊かにする上でも非常に重要であると考える.我々は,動物の報酬獲得行動のモチベーションが,①予測される報酬,②その報酬を欲する程度,の2要因で正確にコントロールされていることを見いだし,その脳メカニズムを探ってきた.また,最近はうつなど動機づけの障害のメカニズムについても研究を進めており,これらの取り組みについて併せて紹介する.
 
ビデオあり: 
no

高橋英彦氏「意思決定にかかわる社会的情動の神経基盤」(第34回VCASIセミナー)

日時: 
2011年1月28日(金)17:00
場所: 
日本財団ビル3階A会議室(http://www.vcasi.org/access.html)
発表者: 
高橋英彦氏(京都大学大学院医学研究科)
概要: 
伝統的な経済理論ではプレーヤーは合理的で個人の効用を最大となるように振る舞うものと想定されてきたが、実社会の人間の行動の中には、必ずしも合理的とは言えない意思決定が少なからず存在する。それらの意志決定に深く影響しているのが情動と考えられる。筆者は、特に社会的場面で生じる社会的情動の神経基盤を機能的MRIをい用いて検討してきた。また、最近は、その分子基盤を明らかにするため分子イメージング技術も利用しており、最近の知見も併せて紹介したい。
 
ビデオあり: 
no

池上高志氏「Artificial Life and Real Life」(第33回VCASIセミナー)

日時: 
2011年1月13日(木) 17:30-
場所: 
日本財団ビル3階A会議室(http://www.vcasi.org/access.html)
発表者: 
池上高志氏(複雑系、人工生命/東京大学総合文化研究科/http://sacral.c.u-tokyo.ac.jp/~ikeg/)
概要: 
人工生命は「生命とは何か」を構成論的な方法で理解しようという研究アプローチである。そのため、人工生命は本質的にハードサイエンスを志向している。この理解を深めるために、まず人工生命の主要な4つの潮流を概観し、これらの研究が一体何を目指しているのか、そのモチベーションを明らかにする。その上で、講演者の研究のうちいくつか(マシンとテープの共進化、ゲームのダイナミクス、ターンテイキング、オイルドロップレット、MTMなど)を紹介しながら、この20年の間でどういう進展と自己批判があったかを振り返る。最後に、artificial life larger than biological lifeというコンセプトで最近取り組んでいる人工生命の新しい方向性やアート活動について議論したい。
 
ビデオあり: 
no

斉藤淳氏「戦後日本政治と説明責任: 業績評価の機能不全と経済的低迷」(第32回VCASIセミナー)

日時: 
2010/11/25(木) 18:00-
場所: 
日本財団ビル3階A会議室
発表者: 
斉藤淳氏(政治学/Yale大学政治学部助教授、元衆議院議員/http://pantheon.yale.edu/%7Ejs454/)
概要: 
本報告では、戦後日本政治経済を素材に、選挙と経済政策の関係について、説明責任の論理を通じて考察する。代表民主制をシュンペーター的に考えるなら、選挙は有権者が政治家を雇用する過程であり、雇用契約の役割を果たすのが憲法であり選挙制度である。ここで民主的説明責任とは、政治家の側が互いに競争しながら、自らの政策実績と展望を説明することによって機能する。そして有権者がこれを評価し、選挙において優れた選択肢に投票することで、政策運営への委任が生ずる。

しかし実際の選挙過程では、有権者の側が集合行為問題に直面するだけでなく、選挙過程に根ざす様々な代理人問題が発生する。特に現代社会における政策運営は高度に技術的な知識を必要とし、政治家と官僚機関との間にも相互依存関係が発生するため、主権者に有権者と政治エリートの間にはなお一層困難な代理人問題が発生する。

こうした理論的問題意識を背景にしつつ、業績評価投票を促進する制度的枠組みが国レベルでも地方レベルでも存在しなかったことが、近年の日本経済停滞につながった可能性を指摘する。事例として、(1)政治市場モデルと日本型選挙運動、(2)サーチモデルと解散総選挙タイミング選択、(3)公共投資の地域別・分野別配分、などを取り上げる。拙著『自民党長期政権の政治経済学』をベースに、政権交代後の知見も踏まえて議論したい。
 
ビデオあり: 
no

太田勇希氏「クリプケンシュタインの規範性の問題と、その解決における共同体、実践、合理性等の概念のカント的解釈に向けて」(第4回VCASIブレインストーミングセッション)

日時: 
2010年9月15日(水) 17:00-
場所: 
日本財団ビル3階A会議室(http://www.vcasi.org/access.html)
発表者: 
太田勇希氏(VCASIフェロー\英国Oxford大学大学院哲学科)
概要: 
クリプキがヴィトゲンシュタインの『哲学探究』読解で示した意味の懐疑的パラドックス(「人がある言葉によって何かを意味しているという事実はない」)と、クリプキがヴィトゲンシュタインに帰属させるその「懐疑的解決」は、ヴィトゲンシュタイン解釈としては大きな誤解を含むものとして広く否定されています。しかし、クリプキが傾向(disposition)理論の批判において特に強調した意味における規範性の問題がヴィトゲンシュタインの重要なテーマの一つであったのは間違いありません。この発表では、クリプキが意味に関して提示したパラドックスが命題態度や想像的知覚(perceiving-as)に一般化できることを示し、コミュニケーションにおける規範性の問題の遍在性を強調します。さらに、Wright、McDowell、Petittなどの関連論考を検討し、アンスコム流の意図的行為理解の理論の有効性を確認した後、規範性の源泉となりうるような共同体内実践の概念を、カントが『判断力批判』の中で分析している目的論的判断の原理に則して理解する可能性を示唆したいと思います。
 
ビデオあり: 
no

伊藤伸泰氏「生物の進化と多様化のメカニズム」(第31回VCASIセミナー)

日時: 
2010月11日10日(水)18:30-
場所: 
日本財団ビル2階第8会議室(http://www.vcasi.org/access.html)
発表者: 
伊藤伸泰氏(統計力学、計算物理学/東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻/http://aph.t.u-tokyo.ac.jp/~ito/)
概要: 
生物多様性年なる今年は「多様性」について耳にする機会が増えたようである。「多様性(diversity, variety)」とは、さまざまなものがある状態を意味することばであるが、多様さにもいろいろとあるように思われる。いろいろなものが、まったくばらばらに同居しているようにみえるものもあれば理路整然と並んでいるものもある。生物生態系の多様さと、人類の文化の多様さ・店にならぶ百貨の多様さとには、どれほどの類似・相異があるのであろうか。本講演では、多様性を示す数理模型を使ってこうした問題を考えるための基礎を議論したい。多様さを生み出し維持してゆくことができる系を「多様系(diversifying system)」と捉え、多様系の多様性を議論したいのである。例えばこれまでに、まったく乱雑な多様系や、個々が強く相関した臨界的な多様系は知られている。しかし一方、多様系の典型と考えられる生物進化の解明ははじまったばかりである。生物生態系の進化は、引き延ばされた指数関数(stretched exponential function)で特徴付けられることが明らかとなった。この関数はコンビニエンスストアの商品棚に並ぶ商品にも観察されており、経済・社会現象への新しいアプローチを拓くものと期待したい。
 
ビデオあり: 
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松井彰彦氏「Zeuthen-Nash交渉解のある社会的基礎」(第30回VCASIセミナー)

日時: 
2010年10月14日(木) 17:00-
場所: 
日本財団ビル3階A会議室(http://www.vcasi.org/access.html)
発表者: 
松井彰彦氏(ゲーム理論、経済学/VCASIフェロー、東京大学大学院経済研究科/http://www.vcasi.org/fellow/%E6%9D%BE%E4%BA%95-%E5%BD%B0%E5%BD%A6)
討論者:竹澤正哲氏(社会心理学/上智大学総合人間学部心理学科/http://librsh01.lib.sophia.ac.jp/Profiles/70/0006938/profile.html)
概要: 
This paper provides a decentralized dynamic foundation of the Zeuthen-Nash bargaining solution, which selects an outcome that maximizes the product of the individual gains over the disagreement outcome. We investigate a canonical random matching model for a society in which two agents are drawn from a large population and randomly matched to a partnership, if they successfully find an agreeable payoff vector. In each period, the two agents choose to maintain or terminate the partnership, which is subject to a small exogenous probability of break down. We show that as the discount factor converges to 1, and the probability of exogenous break down vanishes, the Zeuthen- Nash bargaining solution emerges as a unique undominated equilibrium outcome. Each agent in a society, without any centralized information processing institution, behaves as if he has agreed upon the Zeuthen-Nash bargaining solution, whenever he is matched to another agent.
 
ビデオあり: 
no

西條辰義氏「A Solution to Prisoner’s Dilemma: Full Cooperation in the Experiment with Approval Stage」(第29回VCASIセミナー)

日時: 
2010年9月20日(月) 15:00-
場所: 
日本財団ビル3階A会議室(http://www.vcasi.org/access.html)
発表者: 
西條辰義氏(VCASIフェロー\大阪大学社会経済研究所、米国UCLA California Social Science Experimental Laboratory)
概要: 
Players can approve or reject the other choice of the strategy after playing a Prisoner’s Dilemma game. If both approve the other choice, the outcome is what they choose, and if either one rejects the other, it is the outcome when both defect. The subgame perfect equilibria of this two stage game have the outcomes where both are cooperative and both are defective. However, the all pairs of weakly evolutionarily stable strategies coincide with the subgame perfect equilibria where both are cooperative and we observed 100% cooperation in the experimental session of prisoner’s dilemma game with approval stage, and 7.9% cooperation in the session of the game without the approval stage.
 
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no

楡井誠氏「経済学におけるべき乗則」(第28回VCASIセミナー)

日時: 
2010年9月16日(木) 17:00-
場所: 
東京財団A会議室
発表者: 
楡井誠氏(経済学/一橋大学イノベーション研究センター)
コメンテーター:大石晃史氏(物理工学/東京大学)
概要: 
 所得のパレート分布や都市のジップ法則に代表されるように、べき乗則(power laws)は経済に縁の深い実証的法則でありながら、その含意は理論的にも方法論的にも未だ汲み尽くされていない。このセミナーでは、べき乗則にあまりなじみのない経済学者を念頭に、べき乗則を簡単に解説し、それに動機づけられた経済理論モデルを紹介する。
  まず、資産・所得のパレート分布を題材に、家計や企業のサイズの異質性にかかわるべき乗則を紹介し、その説明を試みる(1)。次に、べき乗則一般を生成するいくつかのモデルをサーベイする(2)。最後に発展的題材として、内生的振動にかかわるべき乗則について議論する(3)。
 
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井上明人氏「コンピュータ・ゲームにおける「説明」」(第3回VCASIブレインストーミングセッション)

日時: 
2010年4月22日(木)17:00-18:30
場所: 
日本財団ビル3階A会議室
発表者: 
井上明人氏(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター/ルドロジー、情報社会学、コンピュータ・ゲーム産業論/http://www.critiqueofgames.net/)
概要: 
コンピュータ・ゲームは、人の適応のメカニズム自体と、深く関わる形で発展してきた。本発表では、まず第一にエンタテインメントのために発展したコンピュータ・ゲームが,いかに画期的な表現メディアたりえたのか,ということを示す。コンピュータ・ゲームは、Wiiに代表されるような、身体的/認知的な快楽を引き起こす装置としての側面に注目が集まりがちだが、実際には特殊なインターフェイスを通じた身体的な快楽装置としてのコンピュータ・ゲームのあり方はコンピュータ・ゲームの可能性のほんの一部分でしかない。その上で、コンピュータ・ゲームがなぜ特異なメディアとなりえているのかを、特にコンピュータ・ゲームにおける「説明」という要素に着目して、議論を展開する。簡単に言えば、「洗練されたコンピュータ・ゲーム」とされるものは、そのほとんどがコンピュタ・ゲームの内部の環境へと高速に適応できるような仕掛けをそなえている。よくできたコンピュータ・ゲームとは、人工環境への適応をブーストさせる装置として優れた仕組みを鍛え上げきた。その仕組みとは具体的にはどのようなものなのか、を示す。
以上のような問題から、質疑応答を通して、依存、適応、学習、ナラティヴ、一回性、人の解釈システムといった概念についてまで議論を広げていければと思う。
 
ビデオあり: 
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山口一男氏「女性就業者のネガティブ・ステレオタイプについての2種の予言の自己成就メカニズムとその解消への道筋について」(第27回VCASIセミナー)

日時: 
2010年7月8日(木) 17:00-
場所: 
日本財団ビル2階第8会議室
発表者: 
山口一男(VCASIフェロー・シカゴ大学・経済産業研究所/http://sociology.uchicago.edu/people/faculty/yamaguchi.shtml)
概要: 
川口章は近著『ジェンダー経済格差』で経済における男女格差が埋まらない原因をゲーム理論における戦略的補完性の概念で説明を試みている、私は近著『ワークライフバランス 実証と政策提言』でわが国において男女共同参画が進まない理由を、女性への統計的差別が経済的に非合理でありながら、その非合理を解消しにくい構造があることにより示した。今回の発表はこの2つの考えを統合する形で、特に女性のネガティブ・ステレオタイプに2種の予言の自己成就的メカニズムがあること、予言の自己成就が成立するには一定の条件があることを示しながら、他の制度との戦略的補完性を持つため解消が難しいと考えられる女性の統計的差別について、その解消の道筋を議論する。
 
ビデオあり: 
no

宮崎広和氏「金融という文化―金融危機と金融社会論―」(第26回VCASIセミナー)

日時: 
2010年7月6日(火) 17:00-20:00
場所: 
日本財団ビル3階A会議室
発表者: 
宮崎広和(コーネル大学人類学科・東京大学社会科学研究所)
司会:青木昌彦(VCASI主宰)
コメンテーター:神山直樹(ドイツ証券)
コメンテーター:春日直樹(一橋大学)
概要: 
 昨今の金融危機で「ウォール街の文化」、すなわち米国投資銀行で働く人々の行動パターンと倫理に注目があつまり、現在様々な議 論が展開されている。議論のひとつの焦点は、投資銀行におけるインセンティブのあり方である。これは非常に重要な視点であることは間違いない。しかし、こうした議論の前提となっている人間像は、合理性と情動のはざまを生きる個人であり、さまざまな関係性によって構成されるより多元的な現実を生きる実際の人間とはかけはなれた、単純化された人間像である。世界中で多くの人々に犠牲を強いた今回の危機は、より現実的な人間像にたった市場とその規制のあり方を考える絶好のチャンスである。
1990年代後半以降ミシェル・カロン、カリン・ノール=セティナ、ドナルド・マッケンジーらヨーロッパにおいて科学社会論(Social Studies of Science)をリードしてきた社会学者たちは、科学から金融へと分析の視点を移し、文化人類学者や人文地理学者とともに金融社会論(Social Studies of Finance)という学際的なフィールドを構築した。このフィールドの特徴は、金融市場を、金融(経済)理論、コンピューター技術、数式、文書、さまざまな制度的・組織的要素、そして身体・情動・思考を持つ生身の人間のネットワークとして構築されたものと理解することである。このように金融社会論は、新古典派金融論とも、行動金融論とも異なる立場から、金融市場のさまざまな側面に関する実証的研究を展開してきた。例えば、マッケンジーは、オプションのプレミアムを算出するブラック=ショールズ式に基づいた計算手法をオプション・トレーダーが共有しトレーディングに使用することによって、オプション市場がブラック=ショールズ式に合致するように動き始めた過程を分析している。
この学際的フィールドに初期から参加した私は当初から、金融社会論にマリノフスキー、モース、ポランニー以来の経済人類学的視点にもとづいたより広い経済観・市場観を導入するよう努めてきた。今回のセミナーでは、金融社会論のこれまでの成果を紹介しながら、現代金融理論の中核をなし、金融商品のプライシングやトレーディングの基本的手法として確立しているアービトラージ(裁定取引)とそれに内包されたさまざまな理論的・技術的・社会的要素に焦点をあてる。具体的には、1987年以降東京のある大手証券会社の自己売買部門で先物やオプションなどのデリバティブを使ったアービトラージに携わってきたトレーダーたちのキャリア(金融実務とそれに付随したさまざまな知的営為の軌跡)を分析し、アービトラージ的手法と思考が、日本の制度的・組織的要素との関係のなかで、過去20年余の日本のデリバティブ市場とデリバティブ・ビジネスの展開にどのような意図され、そして意図されない影響を与えてきたか検討したい。そして、この事例を通じて、金融理論、金融技術、そしてそれらを扱う人々の行動、思考、想像力こそが金融市場そのものであり、今後の金融制度改革の議論の進展のためには、市場と市場行動をより広角にとらえる視点が不可欠であることを示したい。
 
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塩沢由典先生「成長中立的所得税制の提案」(第25回VCASIセミナー)

日時: 
2010年6月23日(水)18:30-
場所: 
日本財団ビル3階A会議室
発表者: 
塩沢由典(複雑系経済学、進化経済学/中央大学商学部、VCASIフェロー)
川越敏司(討論者)(実験経済学/公立はこだて未来大学、VCASIフェロー)
概要: 
所得税の体系(スキーム)がいかにあるべきかに関して、これまで最適所得税という形で考察されてきた。その視点は、勤労・事業意欲を損なわずに税収を上げるには、個人の最高限界税率をどのくらいにすべきかにあった。本報告では、これとは異なる観点にたつ個人所得税体系の提案である。現在の日本のような需要飽和経済では、所得の上昇にともない消費需要が比率的に低下し、それにより成長が抑えられるというメカニズムが働く。経済の長期閉塞の一因がここにあると考えられる。成長中立的所得税制は、このようなメカニズムから自由な所得税体系である。本報告は、所得税体系を適切に組むことにより、政府最終消費が自動的に調節され、所得上昇が成長を抑制しない成長中立的な税制が得られることを示す。
 
ビデオあり: 
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瀧澤弘和先生「科学哲学の今日的段階の先駆けとしてのFriedman (1953)」(第1回VCASIブレインストーミングセッション)

日時: 
2010年2月8日(月)
場所: 
日本財団ビル3階A会議室
発表者: 
瀧澤弘和(中央大学経済学部、東京財団)
概要: 
(下記、レポートに掲載)



 
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安藤馨氏「制度とその規範的正当化---特に帰結主義と社会規範の関係を巡って」(第24回VCASIセミナー)

日時: 
2010年5月10日(月)19:00-
場所: 
日本財団ビル2階会議室1(http://www.vcasi.org/access.html)
発表者: 
安藤馨(法哲学、規範理論/東京大学大学院法学政治学研究科)
概要: 
本報告では、社会に於ける諸個人の個別の行為ではなくその全体が織りなす行為パターンとしての制度・社会規範といった対象が規範理論的・政治哲学的に正当化されるということがどういう事かを改めて整理し、更にその応用として帰結主義的規範理論(なかんずく功利主義)が社会規範をどのように位置づけるかに関する基礎的な議論を試みたい。この作業は、功利主義を初めとする帰結主義理論の下で、立法などの統治的行為・国家介入によって社会規範を執行し維持し或いは改変し或いは破壊することが果たして正当化されうるか、そうだとして、どのような介入が正当化されるか、を論ずるための基盤となるべきものである。

上述のような議論を踏まえつつ、特に、(消極的)自由や自律に内在的な価値を認めない功利主義の下で、どのような統治が正当化されうるかを改めて確認しつつ、時に「アーキテクチュア的統治」として大雑把に括られがちな統治の諸様態について概念的分節化を行うことで、統治に於ける社会工学の規範的基礎がいかなるものであるかを議論していくことにしたい。
 
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鈴木健氏「社会システム2.0 ~なめらかな社会とその敵~」(第2回VCASIブレインストーミングセッション)

日時: 
2010年4月12日(月)18:00-21:00
場所: 
日本財団ビル3階A会議室
発表者: 
鈴木健氏(東京大学大学院総合文化研究科/情報社会学)
概要: 
情報技術を用いて、この社会をバージョンアップすることを試みたい。活版印刷技術が数百年かけて近代社会に様々な革命をもたらしたように、コンピュータやインターネットの登場は、社会に革命的な変化をもたらすと言われてきた。しかし、インターネットが社会に広く利用されるようになって15年たつが、未だにこうした変化は起きていない。これはむしろ当然ともいえる。アラン・ケイの言う通り、300年スパンでしか本質的な変化は起きないのかもしれない。本研究では、アラン・ケイの「未来を予測する最良の方法は未来を発明することである」という有名なテーゼに基づき、社会システムを発明することを試みる。具体的には、貨幣システム、投票システム、軍事システムなどがその対象となる。伝播投資貨幣PICSY、分人民主主義 divicracyといった発明がどのように国家、組織、個人といったものの仮想化を支えていくか、理論、数理モデル、思想、分析、背景などを含めて総合的に議論する。近代社会を成立させた私的所有、自他分離、友敵区別の概念を乗り越えることによって、近代社会の単なるマイナーバージョンアップではなく、メジャーバージョンアップを目指したい。

参考情報:「なめらかな社会の距離設計」(鈴木健) http://ised-glocom.g.hatena.ne.jp/ised/20060114

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お忙しい中恐縮ですが、ご都合のつく方はぜひご参加いただければと思います。
ご参加いただける方は、件名を『「社会システム2.0」参加希望』とし、
ビデオあり: 
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第23回VCASIセミナー「中国人の一般的信頼は高いのか?」(山岸俊男先生)

日時: 
2010年4月1日(木)10:00-
場所: 
日本財団ビル3階A会議室
発表者: 
山岸俊男(北海道大学大学院文学研究科/社会心理学、実験社会科学)
概要: 
 
 
ビデオあり: 
no
2009年12月18日,VCASIでは立法実務がご専門の川崎政司氏(慶應義塾大学客員教授)をお迎し,第22回VCASIセミナー「政治主導と立法のあり方-『政治』をめぐる議論の錯綜とその意味・役割・限界-」が開催された.
2009年12月15日(火)VCASIでは、理化学研究所脳科学総合研究センター動的認知研究チーム、チームリーダーの谷淳先生をお呼びし、第21回VCASIセミナー「脳・認知ロボットの実験から考える内在的な自己について」 を開催した。当日は、青木昌彦氏(スタンフォード大学)、瀧澤弘和氏(中央大学経済学部)などのフェローをはじめとして20人程度が参加し、予定を超える3時間以上の活発な討議が行われた。