発表者:
鈴木健氏(東京大学大学院総合文化研究科/情報社会学)
概要:
情報技術を用いて、この社会をバージョンアップすることを試みたい。活版印刷技術が数百年かけて近代社会に様々な革命をもたらしたように、コンピュータやインターネットの登場は、社会に革命的な変化をもたらすと言われてきた。しかし、インターネットが社会に広く利用されるようになって15年たつが、未だにこうした変化は起きていない。これはむしろ当然ともいえる。アラン・ケイの言う通り、300年スパンでしか本質的な変化は起きないのかもしれない。本研究では、アラン・ケイの「未来を予測する最良の方法は未来を発明することである」という有名なテーゼに基づき、社会システムを発明することを試みる。具体的には、貨幣システム、投票システム、軍事システムなどがその対象となる。伝播投資貨幣PICSY、分人民主主義 divicracyといった発明がどのように国家、組織、個人といったものの仮想化を支えていくか、理論、数理モデル、思想、分析、背景などを含めて総合的に議論する。近代社会を成立させた私的所有、自他分離、友敵区別の概念を乗り越えることによって、近代社会の単なるマイナーバージョンアップではなく、メジャーバージョンアップを目指したい。
参考情報:「なめらかな社会の距離設計」(鈴木健) http://ised-glocom.g.hatena.ne.jp/ised/20060114
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