Language: 日本語 English

独自性

Author(s): 
山岸俊男 ・ 橋本博文 ・ 鈴木直人
日付: 
Wed, 2007-08-01
Abstract: 

本研究ではKim & Markus (1999)におけるペン選択実験の結果、すなわちアメリカ人は東洋人よりもユニークな色のペンを選択するという実験結果を、単純にアメリカ人の独自性へ の選好、東洋人の適合性への選好に基づく行動と理解するよりも、それぞれの社会に生きるうえで適応的な「デフォルト戦略」として理解することがより妥当で あることを示すものである。本研究ではまず、ペンを選択する状況を特定しない場合において日本人よりもアメリカ人の方がユニークな色のペンを選択するとい う彼らの結果を再現し、その上でペンを選択する状況を特定する場合、すなわちデフォルトの状況定義が必要とされない場合において、彼らの実験結果に見られ た文化の差がなくなるという結果を示す。より具体的には、ペンを5人のうち最初に選択する状況であると強調された場合、アメリカ人参加者は日本人参加者と 同様に多数派のペンを選択し、ペンを5人のうち最後に選択する状況であると強調された場合、日本人参加者はアメリカ人と同様に少数派のペンを選択する傾向 を示したのである。本研究から示唆されるのは、状況の定義が特定されない場合に日本人はペン選択状況をデフォルトで最初に選択する状況と同じであると想定 している(そして、後から選択する人の反応を気にする)一方、アメリカ人はペン選択状況をデフォルトで最後に選択する状況と同じであると想定している(そ して、他の人の反応を気にする必要がない)ということである。