Language: 日本語 English

集団

Author(s): 
山岸 俊男 ・ 清成 透子
日付: 
Wed, 2007-08-01
Abstract: 

人々は多くの場合,自分の属する集団の成員である内集団成員に対して,それ以外の人たちに対してより協力的ない し利他的に行動する,「内集団ひいき」ないし「内集団協力」の傾向をもっている.また,内集団成員に対してより強い信頼を示す「内集団信頼」の傾向ももっ ている.本章の目的は,これらの内集団ひいき,内集団協力,内集団信頼を生み出す心理メカニズムについての,山岸を中心とする研究グループが過去10年に 亘り進めてきた研究の成果を紹介し,集団との心理的同一化にこれらの傾向の原因を求める社会的アイデンティティー理論による解釈の誤りを指摘することにあ る.これらの研究を通して得られた一般的結論は,内集団ひいき,内集団協力,内集団信頼などの行動は,集団内部に存在する一般交換システムのもとで適応的 な行動として理解できる,という点にある.

Author(s): 
三船恒裕 ・ 牧村洋介 ・ 山岸俊男
日付: 
Wed, 2007-08-01
Abstract: 

内集団ひいきの説明原理として,社会的アイデンティティー理論が幅広く支持されているが,その説明力の限界が指 摘されており,近年では閉ざされた一般的互酬性の期待仮説(Yamagishi, Jin, & Kiyonari, 1999)が代替案として提案されている.しかし,Yamagishi et al. (1999) の理論は最小条件集団の結果のみを基盤としており,実在カテゴリーで構成される集団への一般化可能性を検討する必要ある.そこで,実在カテゴリーとして国 籍を用いて,神・山岸(1997)の囚人のジレンマ実験を実施した.結果は,外集団成員に対してより協力的に振舞う,つまり外集団ひいきが観察された.こ の結果は上記の両理論から導き出される予測とは異なり,最小条件集団実験を基盤とした理論を安易に他のパラダイムへ一般化することの危険性を示唆するもの である.さらに,事後質問と協力行動の分析から外集団ひいきの原因を推察する.