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VCASI was implemented as a Tokyo Foundation project from April 2007 through March 2011.

VCASI公開研究会 『社会のルールについて』 報告

さる1月26日土曜日の午後,VCASI研究会「社会のルールについて」が東京大学経済学部において開催された.
比較制度分析,ゲーム理論,社会心理学,複雑系科学,実験経済学,経済学の各分野を専門分野とするフェロー6名がプレゼンテーションを行い,季衛東フェロー(神戸大学),八木紀一郎フェロー(京都大学),河野勝フェロー(早稲田大学)や大学院生たちとともに活発な学際的討論を行なった.

 

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はじめに,VCASI主宰の青木昌彦(スタンフォード大学)から,社会科学的研究において個人と社会の双方向のインタラクションをより積極的に分析するアプローチが必要であること,人間はさまざまなドメインで異なるタイプのゲームをプレーしており,それらのゲーム同士の相互作用がCSRなど現実の制度変化の理解に重要であることが提起された.
《パワーポイント資料》
《関連論文》
 
 

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続いて,松井彰彦フェロー(東京大学)は,各プレーヤーが状況に関する完全な知識を持ってゲームをプレーするというこれまでの「演繹的ゲーム理論」と異なり,経験の中からプレーヤーたちが「モデル」(世界像やゲーム的状況に関する像)を構築して行動を選択していくような「帰納的ゲーム理論」を構築する自身の研究について説明された.
《パワーポイント資料》
《関係論文》
 
 

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第3と第4のプレゼンテーションは,実験を用いた社会科学研究のアプローチに関するものであった.川越敏司フェロー(公立はこだて未来大学)は,実験経済学の立場から,社会のルールに関する研究が「社会のルールを学ぶ ⇒ 社会のルールを選択する ⇒ 社会のルールを創造する」という方向で進展してきたことを明らかにし,人間が限定合理的であることが有効な制度の形に大きな制約を課していることを示唆した.
《パワーポイント資料》
《関連資料》
 
 

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山岸俊男フェロー(北海道大学)からは,社会的行動の文化的違いがどこにあるのかを追求していく自身の心理制度分析的研究について報告がなされた.そこでは,日米の被験者たちの行動の差は,情報を知らされていないで意思決定するときに被験者たちがデフォルト値として想定する社会状況の相違によって説明できるという興味深い結果が示された.
《パワーポイント資料前半》
《パワーポイント資料後半》
《関連論文》
 
 

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続いて,瀧澤弘和フェロー(多摩大学)からは,同一の事象についてさまざまに異なる方法論的基盤を持つアプローチがなされている今日の社会科学研究に鑑みて,かつての社会科学の哲学における論争がどのように再考されるべきかについての報告がなされた.また,社会科学の知見の統合によって規範理論を構築する試みとしてジョゼフ・ヒースの議論が紹介され,合理性概念の再構築が必要であることが示唆された.
《パワーポイント資料》
《関連資料》
 
 

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最後に,橋本敬フェロー(北陸先端科学技術大学院大学)からは,進化理論が持つ一般的な構造的特質を抽出し,それを言語進化の研究に用いた時にどのような知見が得られるのかに関する報告と,この研究がより一般的な制度変化の研究に拡張される可能性についての議論がなされた.
《パワーポイント資料前半》
《パワーポイント資料後半》
《関連資料》
《関連論文》
 
 
質疑応答では,人間の行動が持つ共通性と文化的差異をどのように整合的に説明すべきなのか,ゲームの均衡条件として必要な共通事前分布をどのように解釈すべきなのか,規範と慣習はどのように違うのか,民主主義などの政治制度の進化と生物的進化との相互作用がどのような重要性を持つのかといった論点について,フロアも含め,活発な議論が行われた.


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