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第4回学校選択制デザイン研究会『理論的拡張』

日時:     2008年12月16日(火)13:00から
場所:  日本財団ビル3階 A会議室
発表者: 小島武仁(Yale大学)
                安田洋祐(政策研究大学院大学)
概要:     メカニズムデザイン理論やマッチング理論の学校選択制への応用に関する最新の学術論文の
               輪読を通じ、実際に全国各地で導入が進められている学校選択制について現状分析や政策
               提言を行なっていく上でのひとつの理論的基礎を身につけると同時に、必要に応じてそれらの
               理論に基づくアプローチの限界や補完的アプローチの可能性について検討することを目指します。

               第4回の今回は、以下の文献に関する報告です。

  1. YK Che and F Kojima. (2008). "Asymptotic Equivalence of Probabilistic Serial and Random Priority Mechanisms." Mimeo.
  2. A Abdulkadiroglu, YK Che, Y Yasuda. (2008). "Expanding "Choice" in School Choice." Mimeo.
2008年12月19日、学校選択制デザインプロジェクトの第4回研究会「理論的拡張」が開催された。

まず、当日の報告の前半として、小島武仁フェローによる発表が行われた。本発表では学校選択やさらに一般の割り当て問題の代表的な2つのメカニズムを比較した。ひとつはRandom Priority Mechanismと呼ばれるもので、これはニューヨーク市の学校選択の一部で使われているほかさまざまな現場で応用されているものの、非効率性を伴うことが知られている。この問題を受けて、Bogomolnaia and Moulin (2001)はProbabilistic Serial Mechanismを提案した。このメカニズムはRandom Priority Mechanismと違い効率性を達成するものの、市場参加者の一部にウソをつくインセンティブを与える可能性を持っていることも指摘されてきた。このため、この二つのメカニズムのどちらを使うべきかは従来未解決な問題とされていた(Pathak (2007)は前者を、Kojima and Manea (2006)は後者を支持する証拠を挙げている。)今回の発表では、Che and Kojima (2008)に基づいて、実はこの二つのメカニズムは、マーケットが十分大きいときには実質的に同じメカニズムになることを紹介した。大都市での学校選択制度のように多数の市場参加者がいる場合にはどちらのメカニズムも非常に良く働く可能性が示唆されたのである。(報告資料1報告資料2)


後半では、前半の小島フェローの報告で強調された「事前の効率性」という概念に引き続き焦点を当てながら、安田洋祐フェローよりAbdulkadiroglu, Che and Yasuda (2008)に関する報告が行われた。この論文ではまず、ボストンメカニズムがDAよりも事前の意味で効率的となる例を示しながら、従来望ましいと思われていたStrategy-proofnessと事前の効率性との間にトレード・オフがあることが指摘されている。この結果を踏まえ、DAの修正版として、各学生の学校への選好提出の他に優先順位を上げることができる指定校(Target
school)オプションをひとつだけ加えた新メカニズム、CADA(=Choice Augmented Deferred Acceptance)が提示され、DA-STB、DA-MTBとのパフォーマンスの違いが分析された。そして、結論として理論およびシミュレーションの両面からCADAはDA-STBよりも、またDA-STBはDA-MTBよりもより効率的な学校選択を可能にすることが明らかにされた。 (報告資料1)


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