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第6回学校選択制研究会「教育ヴァウチャーと学校選択」

2009年4月20日、VCASIでは教育の経済学、家族の経済学、労働経済学がご専門の赤林英夫氏(慶應義塾大学経済学部)を迎え、「教育ヴァウチャーと学校選択」と題した研究会を開催した。この研究会は、VCASI学校選択制デザインプロジェクト(SCDP)連続研究会「学校選択制を考える」の第6回にあたる。

発表では、
 
・米国、ヨーロッパ、南米などの各国の学校選択制、教育バウチャー制の概要とそれらに関する
  実証研究のサーベイと学校選択制に関する議論一般への含意
・赤林氏自身の研究も含め、日本の学校選択制に関する数少ない実証研究に関するサーベイ
一種の教育バウチャーと見なしえる私立高等学校授業料補助政策が高校中退率に与えた影響について
・東北および北陸の八県のパネルデータを用いて分析した共同実証研究の経過報告

が順に行われた。

参加者のあいだでは、紹介された多数の実証研究の結果を踏まえつつ、特に赤林氏の主張する

・外国の経験から学ぶ際には、その国で公立学校・私立学校がどのような地位を占めていたかに注意が必要
・学校選択・バウチャー政策を教育の自由化・規制緩和ととらえることは出発点として誤り
・日本での最大の論点は「私立学校の選択の自由をどこまで制限するか」という点
・計画的なデータ収集がなければ政策の効果の検証は不可能
・教育社会学者・経済学者の双方とも、自分たちの立場・ものの見方にこだわりすぎ

といった論点を中心に広範な議論が行われた。

なお、上記の内容は赤林氏の近年の論文

赤林英夫. 2007. "的はずれな日本の教育バウチャー論争." 中央公論2月号
赤林英夫. 2007. "学校選択と教育ヴァウチャー---政策と研究." 市村・伊藤・小川・二神編『現代経済学の潮流2007』(東洋経済新報社)
Akabayashi, Hideo. 2007. “Average Effects of School Choice on Educational Attainment: Evidence from Japanese High School Attendance Zones.” Working paper.

などに部分的にまとめられている。

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