前半では宇井氏に,「非期待効用理論に基づくゲーム理論」に関する自らの最先端の研究の内容について非常にわかりやすく解説していただいた.エルスバーグのパラドックスを説明するための理論の1つとして開発されたmaxmin期待効用理論はギルボアやシュマイドラーらによって単一の意思決定者のケースを念頭において開発され,ナイト的不確実性を表現する有力なモデルと見なされてきたが,複数のプレーヤーがインタラクトするゲーム的状況には応用されてこなかった.
宇井氏の研究は,maxmin期待効用をゲーム的状況に応用したときにどのような含意が得られるかを分析するものである.また,そこでの分析をグローバル・ゲームに応用することで,銀行取付と通貨危機のもっともらしい説明が得られることが示された.
後半では,宇井氏の発表に対して,川越敏司氏(公立はこだて未来大学,VCASIフェロー)が,この分析結果をどのようにすれば経済実験に落とすことができるかに関してコメントをし,参加者全体を含めた討論が行われた.
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