Language: 日本語 English

互酬性と同一性保護――最後通告ゲームにおける拒否の理由――

Author(s): 
堀田結孝 ・ 山岸俊男
Date: 
Wed, 2007-08-01
Abstract: 

最後通告ゲームでの不公平分配の拒否動機を検討するため,228名を対象とし,最後通告ゲームと,受け手が拒否 しても提案者の利益は変わらない一方的最後通告ゲームを用いた実験を実施した。更に,一方的最後通告ゲームでの拒否動機が,社会的罰に基づくものか,同一 性保護(福野・大渕, 2001)に基づくものであるのかを検討するため,受け手の拒否が提案者に伝わる“伝達ありゲーム”と,伝わらない“伝達なしゲーム”の,2種類の一方的 最後通告ゲームが設定された。3種類のゲーム条件およびプレイヤー条件は,すべて参加者間要因として操作された。2種類の一方的最後通告ゲームでの拒否率 は,最後通告ゲームでの拒否率の半分程度存在しており,伝達ありゲームと伝達なしゲームの間で,拒否率に差はなかった。結果は,最後通告ゲームでの不公平 分配の拒否のかなりの部分が,同一性保護に基づいていることを示唆している。最後に,コミットメント装置(Frank, 1988)としての同一性保護の適応的役割についての考察が加えられた。

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