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VCASIセミナー

2013年9月9日(月)13:00 - 18:00
東京財団
鈴木健(VCASIフェロー,サルガッソー代表)
瀧澤弘和(VCASIフェロー,中央大学)
岩村充(早稲田大学)
大屋雄裕(VCASIフェロー,名古屋大学)
坂井豊貴(慶應義塾大学)
武藤正義(芝浦工業大学)
山岸俊男(VCASIフェロー,東京大学)
猪口孝(新潟県立大学)
(予定。敬称は略させていただきました。)

第Ⅰ部:諸分野からの論点提起(敬称略,予定)

13:00 - 13:30 鈴木健:「『なめらかな社会とその敵』イントロダクション」
13:30 - 13:50 瀧澤弘和:「PICSY経済,言語の重要性」
13:50 - 14:10 岩村充:「レジデュアルとしての貨幣」
14:10 - 14:30 大屋雄裕:「近代法と個人の存在」

14:30 - 14:35 小休憩

14:35 - 14:55 坂井豊貴:「社会的選択理論に基づくコメント」
14:55 - 15:15 武藤正義:数理社会学的応答:多重所属と生命性をテコに
15:15 - 15:35 山岸俊男:「壁と鳥もち」
15:35 - 15:55 猪口孝:「鈴木健『なめらかな社会とその敵』に対して政治学者から三つのお願い」

 
第Ⅱ部:フリーディスカッション(敬称略,予定,50音順)
16:10 - 18:00
安藤馨(法哲学),井上明人(ゲーミフィケーション),大澤真幸(社会学)(ご欠席),公文俊平(情報社会学),河野哲也(生態学的心理学),斉藤賢爾(社会システム工学),笹原和俊(複雑系科学),高野陽太郎(認知科学),戸矢理衣奈(歴史学),長谷川眞理子(行動生態学),山口一男(社会学),與那覇潤(歴史学)

 
当日の模様はU-streamで配信し,VCASIチャンネル上に残す予定です(YouTubeにはアップロードしない予定です).是非ご覧ください.なお,本研究会は会場の都合により,クローズドなかたちで行わせていただきます.会場にお越しになられてもご入場できませんので,予めご了承ください.

※ハッシュタグは「#なめ敵」です.コメントを取り上げる時間も設ける予定です.

USTREAM URL
http://www.ustream.tv/channel/vcasi-seminar

 
2010年2月17日(木)17:00-
日本財団ビル3階A会議室(http://www.vcasi.org/access.html)
南本敬史氏(脳神経科学/http://researchmap.jp/minamoto//放射線医学総合研究所分子イメージング研究センター)
モチベーションが高いと,同じ行動でも早く正確になるように,モチベーションは我々の行動を司る重要な脳プロセスである.モチベーションがいかに制御されているかを知ることは,生命の原理を探る上でも,我々の社会生活を豊かにする上でも非常に重要であると考える.我々は,動物の報酬獲得行動のモチベーションが,①予測される報酬,②その報酬を欲する程度,の2要因で正確にコントロールされていることを見いだし,その脳メカニズムを探ってきた.また,最近はうつなど動機づけの障害のメカニズムについても研究を進めており,これらの取り組みについて併せて紹介する.
2011年1月28日(金)17:00
日本財団ビル3階A会議室(http://www.vcasi.org/access.html)
高橋英彦氏(京都大学大学院医学研究科)
伝統的な経済理論ではプレーヤーは合理的で個人の効用を最大となるように振る舞うものと想定されてきたが、実社会の人間の行動の中には、必ずしも合理的とは言えない意思決定が少なからず存在する。それらの意志決定に深く影響しているのが情動と考えられる。筆者は、特に社会的場面で生じる社会的情動の神経基盤を機能的MRIをい用いて検討してきた。また、最近は、その分子基盤を明らかにするため分子イメージング技術も利用しており、最近の知見も併せて紹介したい。
2011年1月13日(木) 17:30-
日本財団ビル3階A会議室(http://www.vcasi.org/access.html)
池上高志氏(複雑系、人工生命/東京大学総合文化研究科/http://sacral.c.u-tokyo.ac.jp/~ikeg/)
人工生命は「生命とは何か」を構成論的な方法で理解しようという研究アプローチである。そのため、人工生命は本質的にハードサイエンスを志向している。この理解を深めるために、まず人工生命の主要な4つの潮流を概観し、これらの研究が一体何を目指しているのか、そのモチベーションを明らかにする。その上で、講演者の研究のうちいくつか(マシンとテープの共進化、ゲームのダイナミクス、ターンテイキング、オイルドロップレット、MTMなど)を紹介しながら、この20年の間でどういう進展と自己批判があったかを振り返る。最後に、artificial life larger than biological lifeというコンセプトで最近取り組んでいる人工生命の新しい方向性やアート活動について議論したい。
2010/11/25(木) 18:00-
日本財団ビル3階A会議室
斉藤淳氏(政治学/Yale大学政治学部助教授、元衆議院議員/http://pantheon.yale.edu/%7Ejs454/)
本報告では、戦後日本政治経済を素材に、選挙と経済政策の関係について、説明責任の論理を通じて考察する。代表民主制をシュンペーター的に考えるなら、選挙は有権者が政治家を雇用する過程であり、雇用契約の役割を果たすのが憲法であり選挙制度である。ここで民主的説明責任とは、政治家の側が互いに競争しながら、自らの政策実績と展望を説明することによって機能する。そして有権者がこれを評価し、選挙において優れた選択肢に投票することで、政策運営への委任が生ずる。

しかし実際の選挙過程では、有権者の側が集合行為問題に直面するだけでなく、選挙過程に根ざす様々な代理人問題が発生する。特に現代社会における政策運営は高度に技術的な知識を必要とし、政治家と官僚機関との間にも相互依存関係が発生するため、主権者に有権者と政治エリートの間にはなお一層困難な代理人問題が発生する。

こうした理論的問題意識を背景にしつつ、業績評価投票を促進する制度的枠組みが国レベルでも地方レベルでも存在しなかったことが、近年の日本経済停滞につながった可能性を指摘する。事例として、(1)政治市場モデルと日本型選挙運動、(2)サーチモデルと解散総選挙タイミング選択、(3)公共投資の地域別・分野別配分、などを取り上げる。拙著『自民党長期政権の政治経済学』をベースに、政権交代後の知見も踏まえて議論したい。
2010月11日10日(水)18:30-
日本財団ビル2階第8会議室(http://www.vcasi.org/access.html)
伊藤伸泰氏(統計力学、計算物理学/東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻/http://aph.t.u-tokyo.ac.jp/~ito/)
生物多様性年なる今年は「多様性」について耳にする機会が増えたようである。「多様性(diversity, variety)」とは、さまざまなものがある状態を意味することばであるが、多様さにもいろいろとあるように思われる。いろいろなものが、まったくばらばらに同居しているようにみえるものもあれば理路整然と並んでいるものもある。生物生態系の多様さと、人類の文化の多様さ・店にならぶ百貨の多様さとには、どれほどの類似・相異があるのであろうか。本講演では、多様性を示す数理模型を使ってこうした問題を考えるための基礎を議論したい。多様さを生み出し維持してゆくことができる系を「多様系(diversifying system)」と捉え、多様系の多様性を議論したいのである。例えばこれまでに、まったく乱雑な多様系や、個々が強く相関した臨界的な多様系は知られている。しかし一方、多様系の典型と考えられる生物進化の解明ははじまったばかりである。生物生態系の進化は、引き延ばされた指数関数(stretched exponential function)で特徴付けられることが明らかとなった。この関数はコンビニエンスストアの商品棚に並ぶ商品にも観察されており、経済・社会現象への新しいアプローチを拓くものと期待したい。
2010年10月14日(木) 17:00-
日本財団ビル3階A会議室(http://www.vcasi.org/access.html)
松井彰彦氏(ゲーム理論、経済学/VCASIフェロー、東京大学大学院経済研究科/http://www.vcasi.org/fellow/%E6%9D%BE%E4%BA%95-%E5%BD%B0%E5%BD%A6)
討論者:竹澤正哲氏(社会心理学/上智大学総合人間学部心理学科/http://librsh01.lib.sophia.ac.jp/Profiles/70/0006938/profile.html)
This paper provides a decentralized dynamic foundation of the Zeuthen-Nash bargaining solution, which selects an outcome that maximizes the product of the individual gains over the disagreement outcome. We investigate a canonical random matching model for a society in which two agents are drawn from a large population and randomly matched to a partnership, if they successfully find an agreeable payoff vector. In each period, the two agents choose to maintain or terminate the partnership, which is subject to a small exogenous probability of break down. We show that as the discount factor converges to 1, and the probability of exogenous break down vanishes, the Zeuthen- Nash bargaining solution emerges as a unique undominated equilibrium outcome. Each agent in a society, without any centralized information processing institution, behaves as if he has agreed upon the Zeuthen-Nash bargaining solution, whenever he is matched to another agent.
2010年9月20日(月) 15:00-
日本財団ビル3階A会議室(http://www.vcasi.org/access.html)
西條辰義氏(VCASIフェロー\大阪大学社会経済研究所、米国UCLA California Social Science Experimental Laboratory)
Players can approve or reject the other choice of the strategy after playing a Prisoner’s Dilemma game. If both approve the other choice, the outcome is what they choose, and if either one rejects the other, it is the outcome when both defect. The subgame perfect equilibria of this two stage game have the outcomes where both are cooperative and both are defective. However, the all pairs of weakly evolutionarily stable strategies coincide with the subgame perfect equilibria where both are cooperative and we observed 100% cooperation in the experimental session of prisoner’s dilemma game with approval stage, and 7.9% cooperation in the session of the game without the approval stage.
2010年9月16日(木) 17:00-
東京財団A会議室
楡井誠氏(経済学/一橋大学イノベーション研究センター)
コメンテーター:大石晃史氏(物理工学/東京大学)
 所得のパレート分布や都市のジップ法則に代表されるように、べき乗則(power laws)は経済に縁の深い実証的法則でありながら、その含意は理論的にも方法論的にも未だ汲み尽くされていない。このセミナーでは、べき乗則にあまりなじみのない経済学者を念頭に、べき乗則を簡単に解説し、それに動機づけられた経済理論モデルを紹介する。
  まず、資産・所得のパレート分布を題材に、家計や企業のサイズの異質性にかかわるべき乗則を紹介し、その説明を試みる(1)。次に、べき乗則一般を生成するいくつかのモデルをサーベイする(2)。最後に発展的題材として、内生的振動にかかわるべき乗則について議論する(3)。
2010年9月15日(水) 17:00-
日本財団ビル3階A会議室(http://www.vcasi.org/access.html)
太田勇希氏(VCASIフェロー\英国Oxford大学大学院哲学科)
クリプキがヴィトゲンシュタインの『哲学探究』読解で示した意味の懐疑的パラドックス(「人がある言葉によって何かを意味しているという事実はない」)と、クリプキがヴィトゲンシュタインに帰属させるその「懐疑的解決」は、ヴィトゲンシュタイン解釈としては大きな誤解を含むものとして広く否定されています。しかし、クリプキが傾向(disposition)理論の批判において特に強調した意味における規範性の問題がヴィトゲンシュタインの重要なテーマの一つであったのは間違いありません。この発表では、クリプキが意味に関して提示したパラドックスが命題態度や想像的知覚(perceiving-as)に一般化できることを示し、コミュニケーションにおける規範性の問題の遍在性を強調します。さらに、Wright、McDowell、Petittなどの関連論考を検討し、アンスコム流の意図的行為理解の理論の有効性を確認した後、規範性の源泉となりうるような共同体内実践の概念を、カントが『判断力批判』の中で分析している目的論的判断の原理に則して理解する可能性を示唆したいと思います。