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中林 真幸

中林 真幸

専門分野

経済史,経営史

関心テーマ

比較制度分析、市場における取引統治の歴史的変化、生産組織の歴史的変化

最近考えていること、など

世界恐慌という手ひどい「市場の失敗」を受けて、アメリカを筆頭とする先進国の政府は、証券市場や金融市場、そして財市場に透明なルールを張り巡らし、情報の非対称から生ずる「市場の失敗」を抑え込む努力を営々と積み重ねてきました。その透明なルールの支配的な市場における効率的な価格形成が、単なる商取引の拡大だけでなく、生産活動における技術革新を加速してきたことに疑いの余地はないと思います。しかし、同時に、既成の公的ルールの外側にあるリスクを金融派生商品として商品化し、店頭取引(Over-The-Counter)網を通じて新たな市場を創り出す営みも絶えることがありません。「証券化」を筆頭に、商取引の市場そのものを拡げてゆく、そのような動きが経済成長に貢献してきたことも否定できないでしょう。一方、2008年初現在、そうした商品のひとつであったサブプライムローンの引き起こした問題に対応して、先進国の金融当局は、OTC取引に対しても透明なルールの適用を拡げていく道を模索し始めているようです。実は、このような、新しい財やサービスの取引の出現と、その取引に透明なルールをかぶせて統治しようとする政府のせめぎ合いは、近世期以来、常に繰り返されてきました。そのせめぎ合いのそれぞれの局面が、経済発展のどの側面を促進してきたのか、歴史的に考えてみたいと思っています。

主要既刊書籍・論文など

  • 中林真幸『近代資本主義の組織―製糸業の発展における取引の統治と生産の構造―』、東京大学出版会、2003年

新刊または進行中の著作

  • 中林真幸/石黒真吾編『比較制度分析・入門』、有斐閣、近刊

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所属

東京大学社会科学研究所