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第5回学校選択制研究会「学校選択制導入の教育的効果と経済的帰結」

2009年3月6日、VCASIでは教育データ、医療データの統計分析、 医療システムと倫理がご専門の吉田あつし氏(筑波大学システム情報工学研究科)を迎え、「学校選択制導入の教育的効果と経済的帰結」と題した研究会を開催した。VCASI学校選択制デザインプロジェクトSCDP連続研究会「学校選択制を考える」の第5回にあたる。

発表では、学校選択制の導入の
・教育的効果…生徒のふるい分け(student sorting)や学校間の成績格差などへの影響
・経済的帰結…各地域の学校の質と地価の相関関係や私立中学(へ)の進学率や学費などへの影響
を東京都足立区の公立中学校のデータを用いて分析した吉田氏の共同実証研究に関する報告が行われた。

その報告によれば、2002年に足立区で行われた学校選択制の導入の結果、特に教育的効果の側面に
関して、

・概して公立学校を選択する生徒が増加したが、職業に基づく生徒のふるい分けは縮小しなかった
・学校間の成績格差は拡大しなかった一方で、(東京都全体の平均成績に対する)足立区全体の平均成績は改善した

といった結果が得られた。

参加者たちのあいだでは、使用したデータ環境や推定方法などの議論の詳細にはじまって、得られた結果の学校選択制の制度設計(特に学校選択制デザインプロジェクトSCDPが立脚する「学校選択制自体の是非についての二元論ではなく、相対的により望ましい学校選択制のデザインを目指す」との立場)への含意にいたるまで、広範な議論が行われた。

なお、上記の内容は吉田氏の近年の共著論文

Yoshida, Atsushi, Katsuo, Kogure, and Koichi Ushijima. (2009).
"School Choice and Student Sorting: Evidence from Adachi City in Japan."
Japanese Economic Review.

などに部分的にまとめられている。

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