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第12回VCASIセミナー「ニューロイメージングで政治行動の何が分かるか?」

 2009年5月28日、政治学がご専門の井手弘子氏(東京大学大学院法学政治学研究科博士課程)、加藤淳子氏(同研究科教授)を迎え、第12回VCASI セミナー「ニューロイメージングで政治行動の何が分かるか?」が開催された。

 本研究会は、井手氏・加藤氏がシステム神経科学者の神作憲司氏とともに行ったfMRI実験研究の成果を紹介しながら、その社会科学への含意を議論するものである。報告ではまず、政治や経済の領域について、神経科学の手法を援用した研究事例が紹介された。その上で、選挙キャンペーンにおけるネガティブCMを用い、政治的態度の変化と脳活動の相関を検証した今回のfMRI実験が紹介された。従来、ネガティブ・キャンペーンが引き起こす情動が政治行動に与える影響について議論されてきた。しかし今回の実験では、ネガティブな情報が与えられた際の、認知コントロールを司る前頭前野の脳活動と、感情温度の変化との間に相関が見られ、候補者支持の変化・非変化と認知コントロールの間の結びつきが示唆されたという。
<論文>

 こうした研究成果に対して、実験環境の統制の適切さなど実験計画のデザインや結果の解釈、更には脳神経情報が理論モデル構築上与えうる含意や、神経科学の手法を社会科学に援用することの適否といった論点を巡って、学問間の壁を超えた活発な問題提起と議論の応酬が行われ、会場となった会議室は熱気に包まれていた。


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