2009年7月23日、VCASIでは医療経済学、
医療政策が専門の兪炳匡氏(VCASIフェロー、
米国Rochester大学医学大学院助教授)
と医療経済学、臨床疫学が専門の橋本英樹氏(東京大学医学部、
同大学院医学研究科教授)を迎え、第14回VCASIセミナー「
医療
経済学研究の政策への貢献---米国での概要と感染症対策の例」
を開催した。
セミナーは、兪氏の発表、それに対する橋本氏のコメント、
そして質疑応答へと続くかたちで構成された。

兪氏の発表は、
医療経済学
研究が現実の医療政策への貢献を目指す際に立ちはだかるいくつか
の壁についての議論で口火を切った。その議論によれば、医療データの蓄積とそれへのアクセス、人材、研究費や研究機関、
政策立案者からの需要などの多くの点で日本はたとえば米国に圧倒
的に劣る。
後半では近年の医療政策の最重要の論点のいくつかについて詳しい
議論がなされた。特に取り上げられたのは、公的医療保険と
民間医療保険の役割分担、大規模感染症(パンデミック)対策、
そして医療費の高騰である。それらの論点に共通して、医療経済学
研究の成果が政策立案に十分生かされていない、
あるいはそもそもその論点について研究する環境が整っていない現
状が示された。
橋本氏のコメントでは、
兪氏の発表で触れられたデータの蓄積とそれへのアクセスに関連し
て、

橋本氏自身が開発に関わったDPC(診断群分類包括評価)
を紹介するかたちで兪氏の発表への応答が行われた。
橋本氏によれば、DRCは兪氏が批判した国内の現状を改善する可能性を持つ試みの一つである。
兪氏の問題提起に答える具体的試みが紹介されたことで、
その後の質疑応答でも聴衆を交えた様々な議論が白熱することになった。
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