Language: 日本語 English

第18回VCASIセミナー「複雑ネットワーク上の進化ゲーム」(増田直紀先生)

2009年12月9日,VCASIでは複雑ネットワークがご専門の増田直紀氏(東京大学大学院 情報理工学系研究科 数理情報学専攻)を迎え,第18回VCASIセミナー「複雑ネットワーク上の進化ゲーム」を開催した。

発表では,プレイヤー同士の相互作用を規定するネットワーク構造に着目した進化ゲーム理論の成果を概観した後,スケールフリー性に絞った紹介がなされた。(動画1)スケールフリーネットワークはプレイヤーの結合次数の分布がベキ則にしたがうようなネットワークとして定義されており,多くのプレイヤーと結合するハブプレイヤーが存在する。(後述の総和利得の仮定の下では)ハブプレイヤーは隣接する他のプレイヤーの行動に影響を与えやすい。したがって、ハブの協力行動は他のプレイヤーの協力行動を促し、結果としてハブの協力行動を最適にする。(動画2

しかしながら,スケールフリー性による協力の促進には少なくとも二つの条件が必要であることが明らかになっている。
一つ目は進化が総和利得に基づくという条件である。つまり、ある戦略を取るプレイヤーの数は各プレイヤーがその戦略を取った場合の総和利得が高ければ高いほど増加する。総和利得を結合次数で割ることで得られる平均利得を用いると、ハブプレイヤーの高い総和利得は結合次数で割ることにより相殺され、スケールフリー性による協力の促進は観察されない。(動画3
二つ目は利得行列の利得の値が正に偏っているという条件である。例えば,どの結果が実現しても利得が負の状況や参加料がかかるゲームにプレイヤーを強制参加させた状況を考えた場合、(前述の総和利得の仮定では)ハブプレイヤーの他のプレイヤーへの影響力は消え,スケールフリーネットワークにおける協力は大きく減少する。(動画4

最後に,最先端の話題としてプレイヤーの行動だけではなくネットワーク構造も進化するcoevolutionary gameが紹介された。(動画5




動画1:ネットワークと進化ゲーム理論





動画2:スケールフリー性による協力行動の促進





動画3:総和利得と平均利得





動画4:参加料の導入





動画5:coevolutionary game


注意:コメントは管理者の承認後表示されます。

新しいコメントの投稿

このフィールドの内容は非公開にされ、公表されることはありません。