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『学校選択制のデザイン』執筆チームより




 『学校選択制のデザイン』執筆チームより
 
        
やすだ・ようすけ

本書は、私自身はじめての編著作となります。他の執筆メンバーとも相談しながら、以下の点を心がけながら編集・執筆作業を進めました:
 1)最先端の学術成果を反映させる
 2)あいまいな記述や論理の飛躍を排除する
 3)各パートの寄せ集めではなく本としてまとまった形に仕上げる
 4)我々独自の視点を政策提言として盛り込む
結果として世界的にも類を見ない、独創的でエキサイティングな1冊を完成させることができたと思います。最後まで辛抱強く、最高のパフォーマンスで編者の要求に応えてくれたメンバー達に改めて感謝すると共に、本書を通じて1人でも多くの方に制度研究のフロンティアが伝わることを願っています。
 



かわごえ・としじ
 
安田さんは体操のお兄さんのように爽やかな青年である。いつもトレーニングをかかさない。友枝さんは中高生にモテそうな美男である。音楽雑誌のグラビアを飾るべきである。小島さんは夏でも黒尽くめの衣装でミステリアス。ともかくコミュニケーションできてよかった。成田さんは大人に好かれるタイプである。本代を出してくれているパトロンが誰なのか知りたいものだ。瀧澤さんはヒゲをはやし始めた。これ以上モテても仕方がない。奥さんと子どもさんを大切に。佐藤さんは政界に出馬すれば、主婦層の厚い支持を受けるだろう。
東大出身のイケメンぞろい、女人禁制の研究会の雰囲気が幾分でも伝わっただろうか。

 
        
こじま・ふひと

マッチング理論やその応用であるマーケットデザインは、急速に発展している経済学の新しい分野です。この分野は臓器移植プログラムや、日本でも最近導入された研修医マッチングなどの制度設計などに役立てられ、注目が高まっています。本書は近年、特に発達が著しい学校選択制の制度設計に焦点を当てており、今までの政策論争には無かった新しい視点を提供できたと考えています。この本がちょうど完成した頃に、僕の勤務先のスタンフォード大学から目と鼻の先、サンフランシスコ市でも学校選択制の改革が行われることが決まりました。改革に参加している同僚によれば本書に出てくるマッチング方式が採用されるそうで、今後も目が離せません。
 
 
 


さとう・たかひろ
 
私は主に教育委員会へのヒアリングなどを通じた実態調査を担当しましたが、お話を聞けば聞くほど、時折メディアから流れる過激な学校選択制批判とは異なる実態が存在しました。我々はそれを反面教師として「まず結論ありき」という姿勢でなく、真摯に現実をとらえるよう注意を払ったつもりです。本書を出発点として、教育行政の現場ともさらに活発な意見交換を行い、より良い制度改正を実現できればと思っています。多くの方に読んでいただき、御意見をいただければ幸いです。具体的な政策立案と学問的な研究の融合は、日本が長年抱えてきた問題ですが、参加メンバーはこれに真正面から挑戦し、そうした意味でも本書はオリジナリティあふれるものになったと思います。
 
 


たきざわ・ひろかず
 
本書は、東京財団仮想制度研究所(VCASI)における「学校選択制デザインプロジェクト(SCDP)」の約1年間にわたる研究の成果です。このプロジェクトは,地方自治体と強い繋りを持つ東京財団という地の利と、強力なリーダーシップを持つ安田フェローのもとに結集した専門家集団という人の和を得て、理想的な形で行われました。その内容は、単なる学術研究ではなく、現在実施されている学校選択制への現実的視点を十分考慮したものになっていると思います。日本においても、アカデミアと現場で政策に携わる方々との交流がこのような形で実を結んでいくことがますます必要とされているのではないかと思います。後は天の時を得て、本書がベストセラーとなることを祈るばかりです。



ともえだ・けんたろう
 
私は本書で初めて書籍の執筆・出版というものに携わった。世の中には数え切れないほどの本が刊行されており、その内容・質もまちまちである。しかしその中で、本書はきわめて質の高い専門書であると言っても過言ではないだろう。学校選択制に関する最新の学術研究を丁寧に解説しながらも、数式を多用せずに初学者でも比較的読みやすい文章で明解にまとめられている。これは、安田さんをはじめとする共著者皆様のすぐれた技量によるところであろう。私は、この素晴らしい機会に巡り会えたことに深く感謝している。
 



なりた・ゆうすけ
 
この本は、これまでの学校選択制をめぐる議論で目を向けられることがほとんどなかった、ある隠された一面をえぐり出すことを目指しています。(その隠された一面とは?と思われた方は、本の中身をご覧ください。)議論の足場となる骨組みを比較的簡潔に組み立てることはできたはずだと思われる一方、その代償として、触れられもせずに終わった論点が大量に眠っているようにも予感されてなりません。この本を疑い深く検討された読み手のどなたかが、新たに別の隠された一面を発見し、議論の骨組みを作り替えていく。この本がそんなプロセスの出発点になれば、とひそかに希望しています。